5: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:50:49.13 ID:XTeJFan70
ばいきん城に落下するばいきんまん。
三度寝、四度寝を楽しんでいたドキンちゃんを巻き込み、カンカンに怒られていた。
ドキン「どういうつもりよ! 私の部屋を滅茶苦茶にして!」
ばいきんまん「どうもこうも、見ての通りでして」
ドキン「で、お菓子は?」
ばいきんまん「失敗しました……」
ドキン「はぁぁぁ!? この役立たず! もういい、片付けときなさいよ!」
ばいきんまん「そんな、ひどい……」
かびるんるん「かびぃ……」
ぷんぷん怒りながら部屋を出ていくドキンちゃん。
その様子をホウキとチリトリを持ったかびるんるん達が見送るのだった。
これもいつもの光景。
そう、いつもの光景だった。
一方、そのころアンパンマンたちは、パン工場で少しもめていた。
原因は、もちろんばいきんまんのことだ。
カレーパンマン「ふざけんな! ばいきんまんは、一度がつんと懲らしめないとだめだ!」
アンパンマン「そんな。無理やり謝らせることもないじゃないか。そうだろ、しょくぱんまん」
しょくぱんまん「……今回は被害が大きすぎます。このまま何もなしというのはさすがに」
アンパンマン「そんな」
カレーパンマン「逆にてめえは何であんなやつをかばうんだ!」
アンパンマン「かばってるわけじゃない。ただ……」
カレーパンマン「もういい! 勝手にしろ! とにかく、片付けが済んだらオレはばいきんまんを懲らしめにいくからな! 止めるなよ!」
アンパンマン「あっ、カレーパンマン!」
しょくぱんまん「私も理解できませんよ、アンパンマン。カレーパンマンみたいにばいきんまんを攻めようとまでは思いませんけど、次に見かけたらやっつけるつもりです」
アンパンマン「しょくぱんまんまで……」
しょくぱんまん「とにかく、休憩が済んだので火事にあった人たちの手伝いにもどります。では」
アンパンマン「ああっ!」
アンパンマンはがっくりとうなだれた。
何かがおかしい。
いつもなら、ばいきんまんをぶっ飛ばして終わるはずだった。
それなのに、今日はみんな怒ったままだったのだ。
ジャムおじさん「どうしたんだね、アンパンマン」
バタコ「私も分からないわ。どうしてばいきんまんをかばうの?」
チーズ「あんあーん」
アンパンマン「僕にも分からないんです。ただ、ばいきんまんを攻撃するのは何か違う気がするんです」
ジャムおじさん「そうかい。でも、『何か違う』ではカレーパンマンもしょくぱんまんも納得できないだろうね」
アンパンマン「分かってます。僕も片付けの続きに行ってきますね」
バタコ「アンパンマン……気を付けてね?」
アンパンマン「何がですか?」
バタコ「わからないけど、私なんだか怖いの」
アンパンマン「大丈夫ですよ。行ってきます」
笑顔で飛び出したアンパンマンだったが、その顔はすぐに不安な顔へと変わる。
何かがおかしい。
アンパンマンは、そんな不安を振り払うように首を振り、町へと飛んだ。
17Res/38.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20