過去ログ - 一方通行「打ち止めが高校に入学すンだが……」
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263:101[sage]
2011/03/06(日) 20:43:19.14 ID:6SZSTCDk0
 適温に冷ましたお粥を口にして、打ち止めはしょんぼりした表情を浮かべた。

「せっかくあなたが作ってくれたのに、味しないおいしくないってミサカはミサカはブーたれてみたり」

「オマエの舌が熱でバカになってるだけだ。料亭もびっくりの昆布の風味がきいてるっつーの」

 別に昼食を作るのは面倒くさいので、付き合いでこちらもお粥を口にしながら一方通行は言い返す。じんわりと口に広がる昆布出汁の風味が味蕾を刺激し、漬物などなくても美味しく完食できてしまいそうな勢いなのだが、病人にはその味の繊細さが伝わらないようだ。
 浅漬けを摘み、お粥を一口、二口と啜ったところで、打ち止めはレンゲを置いた。

「やっぱり味あんまりしないよぉ…もういらない。ごめんねってミサカはミサカはあやまってみる」

「ンなこと言わずに食え」

 こんなに我儘なガキだっただろうか。ぐったりとテーブルに懐く打ち止めの口元に、お粥を掬ったレンゲを押し付けると、ちびちびとしたペースではあるが、それでもはむはむと口にする。そこまでやられれば素直になる、らしい。
 軽く茶碗一杯程度を食べさせて、まあ良いだろうと一方通行はレンゲを運ぶ手を止めた。

「桃缶あるぞ」

「! たべる!」

「食ったら薬な」

「…はーい」

 どん、と出された桃の缶詰をフォークの先で小さく切り分けながら口に運ぶ打ち止めは、こっちは美味しいと失礼な感想を口にする。そりゃ濃いシロップだから味がするだけだろと若干ムッとする一方通行だが、甘いもん好きお子ちゃま舌だということにして勘弁してやることにする。
 そんな一方通行は、お粥の後に缶コーヒーというアレな組み合わせを楽しんでいるのではあるが。


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