過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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41:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/11(月) 21:39:34.52 ID:GAMgu6k0
「そう言えば、まだ説明してなかったね。ここは人形の店……ドールショップというやつなんだ。
 趣味としてやっていたら……広い世界ではないとはいえ、いつの間にか名前が売れてきてね。
 こうして店を開くに至ったわけだよ」

槐さんは、まだ開かれてない引越しのダンボールが積まれた廊下を歩きながら、私に説明をしてくれる。

「とは言っても、上客のほとんどはインターネット経由だからね。
 店の方は、これでも一般のお客さんでも入りやすいように趣味を抑えてあるんだ」
「あぁ、それでショーウインドウという意味なのですね」

槐さんが私に説明をし、私が相槌を打ち、時には質問を挟む。
店舗の二階部分が居住スペースになっているらしく、私達はそのまま階段を上っていった。

リビングに通され、私と槐さんはテーブルに着いた。
薔薇水晶は、キッチンでお茶の用意をしている。
とはいっても、食器もほとんどダンボールの中から出てないのか、なかなかに大変そう。
微力ながら、お手伝いしてさしあげましょうか。
そう考えた矢先、槐さんが小さな声で、まるで独り言のように呟いた。

「君の父親とは……学生の頃からの仲だった。とはいっても、彼のほうが年は上だったが。
 僕にとって彼は、友人であり、ライバルであり、師でもあった……」

静かに、優しい口調でそう言う槐さんの目を、私も見つめる。

「君が元気でいてくれて、安心したよ」
「はい……」

それ以外に答えるべき言葉は見当たらなかったし、それだけで十分にも思う。
小さな沈黙が空間に漂った。
 


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