767:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:35:09.00 ID:Dar58s6AO
純「大丈夫です。私馬鹿だから上手には言えませんけど……。律先輩が居れば何とかなりますよ」
きっとこの先何が起きてもぶれる事は無いのだろう。
恐らくこの先律が手にする真直ぐな力に敬意を払い、純は力強く頷いて駆け出した。
768:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:35:44.49 ID:Dar58s6AO
鉄壁。完全生命体。氷の女王。活人鬼。絶対無敵。天下無双。
彼女の強さ、恐ろしさを表す単語を挙げるとするならば枚挙に暇が無い。
だがそれらの言葉の大半が強さの最上級を表す事から、彼女の強さが途方もない領域に達しているのは分かるだろう。いや、強さという凡人の物差しで彼女を測ろうとする事自体おこがましいのかもしれない。
澪「あ……ぁ……」
769:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:36:10.64 ID:Dar58s6AO
刀身の半ばから真っ二つに折れているそれは既に輝きを失い、ただの鉄屑と化していた。
剣士の誇りを折られた澪を奮い立たせるものなど何も無い。
憂「折れちゃいましたね、刀」
770:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:36:53.62 ID:Dar58s6AO
憂「初めまして、秋山 澪さん。平沢 唯さん」
唯と瓜二つの容姿でも憂から放たれる禍々しいものはあまりにも唯とかけ離れていた。
だがそれが唯の中に居る彼女のものと似ているわけではない。
禍々しいという点のみで共通し、それ以外はむしろ真裏、対極に位置すると言っても良いだろう。
771:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:37:24.84 ID:Dar58s6AO
澪はすっとのし掛かっていた重圧が取れたのを感じた。
その一瞬の気の緩みの間に、憂は澪の真横に立っていた。
憂「どれだけ強いフリをしようが貴女は世界から見ればどうでもいい人間なんですから」
772:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:37:55.34 ID:Dar58s6AO
憂の足元が煌めき、巨大な氷柱が空を衝くように伸びる。
巻き込まれた憂はそのまま成す術なく空に投げ出された。
澪「私がどうでも良いだと? 私が強いフリをしてるだと?」
773:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:38:25.67 ID:Dar58s6AO
空間が裂け、斬撃が飛び交い、氷柱が飛散する。
だが怒りのままに振るった刃が憂に到達する筈もなく、逆に澪の視界を濁らせるだけだった。
憂「何度でも言いましょう」
774:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:38:56.68 ID:Dar58s6AO
憂「死んじゃえば?」
空いた手で澪の胸を円を描く様になぞった。
澪「んぐっ──!?」
775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:39:25.07 ID:Dar58s6AO
憂「お姉ちゃん……?」
漆黒の瞳で彼女を見つめ、驚きの表情を浮かべる憂。
唯「……おうよ、原初を駆ける黒龍。その姉は世界中の何処探したって私しかいねーだろうが……よっ!」
776:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:40:08.11 ID:Dar58s6AO
肩で息をする彼女は傍から見ていても辛いものがあった。
澪「唯……?」
胸の歪な膨みが消えたのを確認すると澪は彼女の肩に手をかける。
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