過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
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793:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:05:48.63 ID:/gE6O3zAO
 闘いの爪痕は大きい。
それぞれの想い、覚悟はいとも容易く崩れ去った。
彼女らが唯を取り返した代償として胸に刻まれたのは、自分の無力、矮小さだったのだ。

梓「私はそれでも良いと思ってるんです」
以下略



794:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:06:17.46 ID:/gE6O3zAO
唯「で、何の話してたんだっけ?」

梓「もう! しっかり聞いて下さいよ。南極から帰ってきてからの一週間の近況報告です!」

 目を三角にして怒る梓の剣幕に唯は思わずたじろいだ。
以下略



795:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:06:48.30 ID:/gE6O3zAO
唯「ちぇー、あずにゃんのいけず」

 口を尖らせて横になる唯を見て梓は悟られぬように微笑んだ。
 日常の何気ない会話でころころ変化する唯の表情は梓の心の拠り所となっていたのだ。
 時に悲しむ表情ですら愛しい。
以下略



796:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:07:19.62 ID:/gE6O3zAO
唯「…………」

 唯はドアからスタンドに立て掛けられたチェリーサンバーストのギターに視線を移した。
ここ最近ろくなメンテナンスも出来ていないせいか、ネックの傷は目立っており、ピックアップ部分の隙間には埃が溜まっている。
 ごめんねギー太、唯はそう呟いて深く溜め息を吐いた。
以下略



797:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:07:53.74 ID:/gE6O3zAO
唯「私……何も考えたくないよ……」

 逃げたかった。目を逸らしたかった。破棄したかった。忘れたかった。
 ──壊れてしまいたかった。

以下略



798:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:08:26.20 ID:/gE6O3zAO
梓「──っ」

 病院から外に出た梓は瞳を刺す夕日の輝きに目を伏せた。
本来ならば院内の独特な香りから解放されてほっと一息吐くところだがそうはいかない。
梓、そして桜高のトップランカー達はある問題に苛まれているのだ。
以下略



799:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:08:54.83 ID:/gE6O3zAO
エリ「ごめんね、私達が不甲斐無いせいで……」

和「いや、気にしなくて良いわ。私の判断ミスよ」

 生徒会室では重苦しい空気が漂っていた。
以下略



800:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:09:24.38 ID:/gE6O3zAO
和「一筋縄ではいかない人ばかりだもの。やっぱり統率力を持つ人間を一人残しておくべきだったわ」

 黄ばんだパソコンのディスプレイと睨み合いをしつつ、和は自身の短髪をがしがしと掻いた。

アカネ「これからどうしよう……。多分また此所が無法地帯になるのかも」
以下略



801:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:09:58.17 ID:/gE6O3zAO
 室内の空気が水を打ったように変わった。
エリ、アカネ、和の三人が一斉に梓の方を見たので梓はたちまち萎縮してしまう。

梓「あ……ご、ごめんなさい」

以下略



802:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:10:35.63 ID:/gE6O3zAO
和「単刀直入に言うと今この学校は荒れてるの。個人の力じゃ収拾がつかないほどにね」

 荒れているのはいつもの事だろう。
梓は内心そう思ったが口には出さなかった。

以下略



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