過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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370: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:50:52.49 ID:FDyGJ6A0

頭も目の前も、真っ赤に染まってから冷静を失うのは直ぐだった。

駆けつけてきた店員はそんな彼が冷静を取り戻すのには時間が掛かるかと警戒していたようだが、
振り上げた腕を抑えられると容易にも一方通行の身体から力も気力も失せてしまった。
以下略



371: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:53:38.35 ID:FDyGJ6A0

「通報すンなら好きにしろ、あとこの割れた皿とかも弁償する」


辺りに散らばった破片を踏みつけながら立ち上がって、一方通行は起伏のない声で言う。
以下略



372: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:55:31.71 ID:FDyGJ6A0

番外個体は最初と変わらない場所でしゃがみ込んで、身体を小刻みに震わせていた。
一方通行の気配を感じ取ったのか、顔を上げる。
血色の悪い、青紫の唇。しかし顔はどこか赤みを帯びている。
そんな彼女はうっすらと微笑んで、
以下略



373: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:58:29.42 ID:FDyGJ6A0

「ほら、乗っかれ」


タクシーでマンションの前まで帰ってくると、番外個体をおんぶして部屋まで連れて行く。
以下略



374: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:00:24.40 ID:FDyGJ6A0

いじけたように反対側を向いてしまう番外個体。
ガキじゃないんだからと一方通行は溜息をつく。

以下略



375: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:02:35.73 ID:FDyGJ6A0

番外個体の頭を冷やすために薄手のタオルを冷水で濡らす。

右手の血は既に止まっていたが、水に酷く染みて、思わず手を引いてしまった。
しかも衣服も汚れてしまったし、もしかすると番外個体の服も汚してしまったかもしれない。
以下略



376: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:04:53.16 ID:FDyGJ6A0

『――特に変わったことはない、風邪の症状なんだろう?』

「あァ、少し前からそれっぽかったらしいし、一応脳内の電気信号を確認してみたがウィルスとかでもねェと思う」
以下略



377: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:07:47.95 ID:FDyGJ6A0

家に帰ると、番外個体は毛布にくるまって眠っていた。
額にのせたタオルは既に存在意義を失ってぬるくなっていて、番外個体の額に手をあててみると、依然として熱いままだ。

折角冷却シートを買ってきたのでそれを貼らせようかと思ったが、起こすのは何となく気が引けて、夕食時まで番外個体をそのまま寝かせることにした。
以下略



378: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:13:43.68 ID:FDyGJ6A0

熱があると悪夢をみる、というのはよくあるが、今日の番外個体はまさしくそれだった。
気持ちが悪くて、後味の良くない夢。以前コンビニで興味本位で立ち読みしたホラーコミックと似たような内容だった。
それに続いて、今度は見知らぬ男に思い切り刺し殺されそうに――なる直前で、はっと目が覚めた。
以下略



379: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:17:28.36 ID:FDyGJ6A0

鍋でお粥を煮ていると、番外個体が風呂から上がったらしい。バタンと浴室の扉を閉める音がした。

いつもは着替えて髪も乾かさずにリビングにやってくる彼女だが、今日は一方通行の言いつけをしっかり守っているようでドライヤーの音が聞こえてくる。
いつもこうすれば毎朝寝癖で悩まなくても良いのではないかと思うのだが、どうやらクセのつきやすい髪質らしい。
以下略



380: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:19:04.60 ID:FDyGJ6A0

結局番外個体はゼリーを食べると機嫌を直してくれた。
何だかんだ言いつつ、お粥も塩で味を調節しながら完食。……したのだが。

以下略



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