過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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2010/03/21(日) 16:27:09.52 ID:TgoUeT2o
「でもそうねぇ、人間、貴方が可哀相だから一応教えてあげるわぁ」
クスクスと笑い、水銀燈が言った。
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2010/03/21(日) 16:27:53.49 ID:TgoUeT2o
「真紅、教えてくれ。お前やお前の姉妹に、魔術を使えるやつはいないのか?」
「・・・当麻の言っている魔術がどういうものなのかは、私にはわからない。だけどもし、この廊下にその『魔術』がかかっていて、それが人の出入りを限定するような種類なのだとしたら・・・」
以下略
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2010/03/21(日) 16:28:20.27 ID:TgoUeT2o
「!」
上条は目を見開いた。
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2010/03/21(日) 16:49:42.27 ID:TgoUeT2o
○
上条は街を走っていた。
学園都市の道路。学生の利便性第一に創られたこの街は、歩道が広く設定されている。
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2010/03/21(日) 16:50:10.42 ID:TgoUeT2o
悪いことは重なる。
結界が張られたのはおそらく、上条が水銀燈と戦い、廊下に出たその直後。それまでは室内のものに普通に触れている。テーブルサンドイッチが、何よりあの段階では結界は張られていなかった証明である。
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2010/03/21(日) 16:50:42.19 ID:TgoUeT2o
そんな八方塞の彼を助けたのは、
「当麻、少し落ち着くのだわ」
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2010/03/21(日) 16:51:09.23 ID:TgoUeT2o
「いてえっ!? 真紅何してっ、いててていってえ千切れる千切れる!」
くい、という可愛らしいレベルではない。耳たぶを引っこ抜こうかというほどの力で引っ張られて、上条は痛みに脚を止めた。
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2010/03/21(日) 16:51:36.65 ID:TgoUeT2o
「お願い当麻。無理を言っているのはわかる。だけど、少しでいいから冷静になってちょうだい。貴方がここで気を失っても、私にはどうすることもできない。私は行き先がわからないし、迂闊に人前に出ればそれどころじゃなくなってしまうのだわ」
「・・・・・・」
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2010/03/21(日) 16:52:13.35 ID:TgoUeT2o
「・・・ごめんなさい」と、その表情を見て取った真紅が言った。
「契約は私の力を引き出すために必要な手続きに過ぎない。私が力を振るうと、どうしても、貴方の体力を奪ってしまうのだわ」
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2010/03/21(日) 16:53:40.81 ID:TgoUeT2o
「・・・真紅、しっかり掴まってくれ。ここからなら一気にいけると思う」
「わかったのだわ」
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2010/03/21(日) 16:58:40.06 ID:TgoUeT2o
○
「・・・見えた!」
ビルの密集によって迷路のように張り巡らされた路地を疾駆し続け、もういくつかわからないほどの路地角を曲がった先。
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