過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」
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106:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/13(木) 13:35:14.87 ID:Al96rPapo
 ……結果から言うと、央輝には見つからなかった。
 ほっとした。

智「どこかにいても、きっとそのうち帰るよね」

 アパートが見えて、僕は安堵する、

 ……最初からその可能性を考慮に入れていなかったのは、単純に僕の落ち度だ。
 だから、これは――そう、自己責任なのだ。

 鍵を取り出し、穴に入れて捻る。
 ガチャン、と音がなった。
 僕はドアノブを捻って部屋に入り、今日はゆっくり寝て休もう――と思った瞬間だ。
 ガンッ、と何かがドアに引っかかった。

智「……え」

央輝「遅かったじゃないか」

 僕が入った部屋の向こう。
 つまり、ドアを挟んで外に――吸血鬼がいた。
 口を酷く広げて、綻ばせている。

智「ぁ…………」

 眼を、見てしまった。
 途端に――恐怖が倍増する。
 身体が動かない。腰が抜けて尻餅をつく。
 央輝はそれを見てつまらなさそうに鼻を鳴らし、部屋に入ってきた。

 前にも――こんなことがあった気がする。
 パルクールレースの終盤。央輝が僕に向かって[ピーーー]といい、その眼をみた時に足が動かなくなったときにソックリだ。

 なんなんだこれは。
 なんなんだこれは。
 これはまるで――特別な才能みたいじゃないか。
 るいの驚異的な力のような。茜子の人の心を読むような。
 これは、眼を合わせた人を――――凍らせるような。


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