296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 22:38:55.38 ID:K6nTd4fDo
足音に視線を戻せば、絹旗がこちらに駆けてくるところだった。
その後ろには滝壺。まだ若干足元がおぼつかない様子だが大丈夫そうだ。
「おう」
手を挙げて応えてやる。
「麦野とフレンダは?」
姿の見えない二人を尋ねると絹旗は小さく首を左右に振った。
「だめです。モニタールームみたいなのがあったんですけど潰されてました。
携帯も超通じないみたいですし……」
そこで絹旗は言葉を切り振り返る。
どこか寝惚けているような様子でふらふらと歩いてきていた滝壺がようやく追いついた。
「はまづら。立てる?」
手を差し伸べてくれるのはありがたいが疲労困憊なのは彼女も同じだろう。
掌を見せ大丈夫だと示すと壁に手を付き自力で立ち上がった。
「とりあえず探すか。まだあと三人いるし、麦野もフレンダも別行動だ。
囲まれたら流石のアイツらでも分が悪いだろ」
とは言っても彼女たちが早々死ぬはずもないのだが。
憎まれっ子世に憚るとは言うが、あの手の女性というものは往々にして男には理解できない上手い立ち回りをする。
そもそもアイツら殺しても死にそうもねえし、と心中でごちて浜面はまだ思考に掛かったままの靄を振り払おうと軽く頭を振り髪を掻き上げた。
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