90: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 03:56:28.01 ID:aTr/TGY0
黒子(お姉さま!?)
突如、どこからともなく――それもすぐ背後から――響いた叫び声。
それは紛れもなく……。
91: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 03:57:28.95 ID:aTr/TGY0
??「いっふぉに……」
耳元で……あの少年の声が聞こえた。
92: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 03:58:29.48 ID:aTr/TGY0
黒子(恐らく、この少年に目を合わせたら……最期ですの)
体は――すんなりと動いた。
すぐさましゃがみこむような姿勢をとると、少年の脇をすり抜けるようにして、背後に回る。
93: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 03:58:58.46 ID:aTr/TGY0
黒子(このまままじゃ、埒があきませんの。こうなったら、テレポートで……)
そこまで思いかけたとき、思わずつまづきかけた。
床の穴に足を引っ掛けてしまったのだ。
94: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 03:59:38.80 ID:aTr/TGY0
黒子(――!!)
左はすぐに袋小路になっていた。
いや、右手には扉はあったものの――得体の知れない呪文がびっしりと書き込まれた札が無数に貼られていた。
何かを封印しているように思えたが、今はそれが何かを考えている暇はない。
95: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 04:00:06.98 ID:aTr/TGY0
ふと上を見上げる。
――そこには、木張りの天井。
一部の木材は朽ちて、今にも落下しそうな勢いで垂れ下がっているのが見られた。
96: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 04:00:49.94 ID:aTr/TGY0
黒子「どうやら、撒くことができたようですわね」
息を切らしながら、改めて瞬間移動した先の状況を確認する。
廊下が正面と右手に伸びていた――が、右手は先の箇所で大きく崩れていて、進めそうにない。
97: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 04:01:23.44 ID:aTr/TGY0
黒子(様子が……おかしいですの。先程と、まったく違っていますの)
そう――ちょうどここに至る廊下は、大きな裂け目が廊下を横断していて、歩いていくのは明らかに無理だったはずなのだが。
しかし、今見てみると、そんな裂け目は見当たらない。
98: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 04:02:10.20 ID:aTr/TGY0
改めて、今いる空間を眺め回す。
ふと張り紙が目に入る。
『ろうかをはしるな』とひらがなで書かれている。
99: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/08(水) 04:02:37.17 ID:aTr/TGY0
黒子(まあ、このままじっとしていても仕方が無いですわね)
ため息を一つつくと、ゆっくりと歩き出した。
すぐに廊下の突き当りにぶつかる。
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