36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/02(水) 05:16:06.18 ID:xCJ53iVR0
「た、大変だったな梓。ほら、今回のアレを見つけた子って、梓のクラスメートなんだろ?」
「はい。本人は大分、参ってる感じでした」
「だよな。流石にカラスともなると……なあ」
部活は始終、こんな感じのぎこちない空気のまま、当たり障りの無い話題を振ってはすぐに終わった。
この話題が続くわけもない。かといって何も言及しないわけにもいかない。
皆、あの唯先輩の思い出話を胸につかえたまま、どうしたらいいか考えているのだ。
ところが、当の本人はというと、
「ひどい事するよね、まったく。カラスが可哀想だよ」
「えっ? あ、うん。そ、そうだな」
「そうね」
「そうですね」
「……カラス……カラス……うぅっ」
相変わらずあっけらかんとして部活に来てはアイスを食べていた。
それとなく件の話題を振っても、焦る様子を一切見せることなく、普段通りの振る舞いをしている。
他の先輩はどうだかわからないけど、少なくとも私には、唯先輩の一挙一投足、全てが白々しく思えてならなかった。
唯先輩がやったんですよね? と声を大にして問いただしたかった。
無邪気、なんて言葉じゃもう済まされない。これは立派な犯罪、それもすこぶるたちの悪いものなのだから。
そして、何より。
「唯先輩」
「うん? なあに、あずにゃん」
「憂の様子、最近どうですか? あんまり元気が無いみたいなんですけど」
「そうかな? 家ではいつもどおりだよ。あ、そうそう、そう言えば昨日憂が作った晩御飯が――」
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