43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/02(水) 12:54:18.02 ID:Fg95zmoKP
>>41 俺が思ってるのと違うスレかもしれんが放置されてるからじゃないかそっちが
44: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:31:23.51 ID:26HSSYhZ0
それはかなり突然のことであった。
騎士と勇娘が家を建て、畑を作り、簡単な柵を辺り一帯に覆った頃。
二人の住処が村の姿に一歩ずつ近づいている頃、勇娘が齢十二の年。
45: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:32:12.51 ID:26HSSYhZ0
村の入り口に辿り着いた騎士は、倒れ込む二人の男女とその側に屈み込む勇娘を見つけた。
男女は母と息子という体ではなく、姉と弟といった年の頃に見える。
何にせよ、二人とも血まみれでかなり危険な状態に違いはないだろう。
騎士「勇娘、どうだ」
46: ◆V8UyFaPsi2[saga]
2011/02/03(木) 15:36:18.46 ID:26HSSYhZ0
騎士「これで治癒能力が高まった。とりあえずベッドに運んで体力回復させよう」
勇娘「うん!」
騎士「二人……抱けるな。よし……」
47: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:38:08.20 ID:26HSSYhZ0
騎士(おそらくあの少女と少年は……逃げ出した奴隷だろう)
騎士(足の裏の烙印が、それだ……。そして、姉の方は……)
騎士(……ハーフエルフだろうな。それ故の奴隷だ……)
48: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:45:51.63 ID:26HSSYhZ0
二人の事を気にかけながらも、騎士は自身の仕事に精を出した。
今まで二人で暮らしていたのが、四人になるやも知れない。
狩りに畑仕事に、と、騎士は休む間もなく働く。体を動かしている間は何も考えなくて良いのが救いだ。
汗を流せば、自身が化け物であることも忘れていられる。近しい者に化け物であると知られる可能性も、忘れていられる。
49: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:56:14.64 ID:26HSSYhZ0
《村長宅・二階客間》
ベッドから上半身だけを起こしたその少女は、窓の外を見つめていた。
奴隷商人から命からがら逃げてきて、追っ手からの容赦ない攻撃に心身共にボロボロになった末、辿り着いたのがこの小さな小さな村だった。
いや、村と呼べるのかすらも怪しい。畑に、家が一つだけ。大陸の端の端の端に、ぽつんと存在する、隠れ村……?
50: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:59:08.43 ID:26HSSYhZ0
少女「え、ええ……」
騎士「まずはお互いに自己紹介から始めないといけないだろうな。俺は騎士だ」
勇娘「その娘の、勇娘です! ぶいっ!」
51: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:05:09.84 ID:26HSSYhZ0
騎士「……さて、単刀直入に聞こう。君たちは奴隷だな?」
エルフ「っ」
男「……ねーちゃん」
52: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:10:47.75 ID:26HSSYhZ0
エルフ「……私たちが奴隷と知っていて、なぜ……?」
騎士「迫害される者の辛さは知っている」
エルフ「私を商人に突き出せば……、きっと懸賞金が入りますよ……?」
53: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:19:55.49 ID:26HSSYhZ0
男「きっと、きっとこの鎧の人は悪い人じゃないよ。だってあの商人の人たちとは全然雰囲気も違うし……」
エルフ「…………」
男「もう逃げ回らなくても済むんだよ? だったら……」
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