49: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:56:14.64 ID:26HSSYhZ0
《村長宅・二階客間》
ベッドから上半身だけを起こしたその少女は、窓の外を見つめていた。
奴隷商人から命からがら逃げてきて、追っ手からの容赦ない攻撃に心身共にボロボロになった末、辿り着いたのがこの小さな小さな村だった。
いや、村と呼べるのかすらも怪しい。畑に、家が一つだけ。大陸の端の端の端に、ぽつんと存在する、隠れ村……?
50: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 15:59:08.43 ID:26HSSYhZ0
少女「え、ええ……」
騎士「まずはお互いに自己紹介から始めないといけないだろうな。俺は騎士だ」
勇娘「その娘の、勇娘です! ぶいっ!」
51: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:05:09.84 ID:26HSSYhZ0
騎士「……さて、単刀直入に聞こう。君たちは奴隷だな?」
エルフ「っ」
男「……ねーちゃん」
52: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:10:47.75 ID:26HSSYhZ0
エルフ「……私たちが奴隷と知っていて、なぜ……?」
騎士「迫害される者の辛さは知っている」
エルフ「私を商人に突き出せば……、きっと懸賞金が入りますよ……?」
53: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:19:55.49 ID:26HSSYhZ0
男「きっと、きっとこの鎧の人は悪い人じゃないよ。だってあの商人の人たちとは全然雰囲気も違うし……」
エルフ「…………」
男「もう逃げ回らなくても済むんだよ? だったら……」
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/03(木) 16:25:24.18 ID:Ea1bLqQqo
wwktk
55: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:25:36.71 ID:26HSSYhZ0
本来ならば、兜を脱ぐという行為は、騎士にとっては自殺行為以外の何物でもなかった。
それは自身の顔をさらけ出すということで、それは《化け物》であることを知られてしまう可能性を飛躍的に高めるものだから。
しかし、騎士の心には、どうしてもこの少女を安心させてやりたいという思いが芽生えていた。
心情的にはまだ距離のある彼女にならば、顔を見られても構わないと思ったからなのか、それとも他に理由があるのか。
56: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 16:31:06.54 ID:26HSSYhZ0
騎士「……俺も、人に疎まれていたから、この顔を晒すのは本当は怖いんだ」
エルフ「え……?」
騎士「でも、何だろう……、君になら見せても良いと思えたんだ。理由はわからない」
57: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 17:07:16.72 ID:26HSSYhZ0
エルフ「…………」
男「ねーちゃん、見とれてたでしょ」
エルフ「み、見とれてなんかないわよ」
58: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 17:34:38.24 ID:26HSSYhZ0
勇娘「夜ごはんですよー」
エルフ「あ、ありがとうございます……」
男「ありがとー」
59: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 17:35:14.52 ID:26HSSYhZ0
勇娘「お父さんが昔教えてくれました。人間のたくましさとエルフの美しさを併せもった凄い種族だって」
エルフ「そんな、ことを……?」
勇娘「でも、人間もエルフもその凄さに気付かないから、ハーフエルフはみんなから差別されるんだって」
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