過去ログ - ハルヒ「鬱だ、死のう」
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2011/02/06(日) 19:45:39.72 ID:pQ8U3muAO
 そのままなんの滞りも無く自己紹介は終了したが、俺は涼宮ハルヒが言い放った最初の一言が頭から離れなかった……確かに彼女は言ったのだ俺にしか聞こえないようなか細い声で。
「ただの人間には興味ありません」ってな。
 ありえない。本音にしろ冗談にしろ新学年始まってすぐの自己紹介でそんな台詞を言う奴なんて存在するはずが無い。
 まして彼女……涼宮ハルヒはやや伏し目がちな点を除けば単なる一人の可憐な美少女なのだ。
 その彼女がなんであんな事を……
以下略



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2011/02/06(日) 19:46:55.48 ID:pQ8U3muAO
 すると。
「あ、あの……」
 向こうから話かけてきた。
 変人疑惑がかかっている奴であろうと美人に声をかけられたら舞い上がるのが男の宿命だ。しかし労せずアチラから来てくれるとは、案外積極的なのか?
それにしても可愛い。
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2011/02/06(日) 19:48:34.93 ID:pQ8U3muAO
 このように一瞬にして俺のハートをいろんな意味でキャッチした涼宮ハルヒだが、翌日以降しばらくは割りとおとなしく一見無害な女子高生を演じていた。否、どこかの誰かが勝手に眠れる獅子を起こさなければハルヒは永遠に無害な女子高生のままだっただろう、だけどハルヒと関わった後の俺なら自信を持って言える。
「だってそっちのほうが面白いじゃないか」ってな。


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2011/02/06(日) 19:50:40.41 ID:pQ8U3muAO
 このように一瞬にして俺のハートをいろんな意味でキャッチした涼宮ハルヒだが、翌日以降しばらくは割りとおとなしく一見無害な女子高生を演じていた。否、どこかの誰かが勝手に眠れる獅子を起こさなければハルヒは永遠に無害な女子高生のままだっただろう、だけどハルヒと関わった後の俺なら自信を持って言える。
「だってそっちのほうが面白いじゃないか」ってな。 で、俺は今日も世界の神秘涼宮ハルヒにまた話しかけていた。もちろん話題はあのことしかあるまい。



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2011/02/06(日) 19:52:06.49 ID:pQ8U3muAO
「なあ」
 と、俺はさりげなく振り返りながらさりげない笑みを満面に浮かべて言った。
「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」
「最初のって皆と仲良くしたいっていうのは全部本気で……」
 伏し目がちに席に座っていた涼宮ハルヒはそのままの姿勢でこちらを見上げてきた。
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2011/02/06(日) 19:54:18.12 ID:pQ8U3muAO
 別段一人で飯食うのは苦ではないがやはりみんながわやわや言いながらテーブルをくっつけて食事するなかで一人きりなのもなんなので俺は同じ中学で比較的仲がよかった国木田とたまたま席が近かった谷口と食事を供にしていた。
 涼宮ハルヒの話題が出たのはその時である。
「貴様、この前涼宮に話しかけておったな」
 何気にそんな事を言い出す谷口。まあ、うなずいとこう。
「わけの解らんことを言って口もきいてもらえんかっただろう?」
以下略



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2011/02/06(日) 19:56:16.05 ID:pQ8U3muAO
「何だそりゃ?」
「ふむ、聞きたいか、ならば話そう石灰を使い白線を引く道具があるであろう。それを使い校庭にこれ見よがしに巨大な絵文字を書きおったのよ。しかも夜中に校舎に侵入してな」
 その時のことを思い出したのか谷口は愉快そうに笑った。
「まったく驚いたわ。朝登校してみればグラウンドに丸やら三角やらで奇っ怪な模様が描かれいてな。近くからでは全貌が把握できんので校舎の四階から見てみたがやはり解らんかった」
「あ、それ見た覚えがあるな。確か新聞の地方欄に乗ってなかった?航空写真でさ。出来そこないのナスカの地上絵みたいなの」
以下略



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2011/02/06(日) 19:57:56.05 ID:pQ8U3muAO
「でも、それって全然涼宮さんのイメージに合わないよね。まさか彼女がネガティブなのを利用して谷口達……」
「馬鹿を言うな!この我を見損なうな!アヤツは何故か告白を断ろうとせんのだ、まったく何人の男がキャツに煮え湯を飲まされたことか!」
「なんだ、涼宮に散々なにか奢らさせた後に捨てられたのか?」
「違う、断らんくせに何もせずに別れる。男には理由がさっぱり解らん、だから奴は変人なのだ」
「しかし信じられないな、あの涼宮さんがね……」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/06(日) 19:59:16.56 ID:pQ8U3muAO
 ――その時、涼宮ハルヒの過去を思わぬ形で突きつけられた俺は……
ただ――嬉しかった。
 自分の知らない涼宮ハルヒを知っている人間が居る、東中の奴はクラス中に結構な数が居て俺が知らない涼宮ハルヒを見て、涼宮ハルヒと話していた。
 それが悔しくないと言えば嘘になる。しかし谷口は知らない、いや谷口以外の奴も俺以外は知る筈がないのだ、涼宮ハルヒがまだ諦めてはいないことを。
 俺は知っている俺だけが知っている涼宮ハルヒの『今』それは俺が知らず谷口達が知る『過去』に比べ何千倍の意義があるものだ。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/06(日) 20:01:34.98 ID:pQ8U3muAO
「ちょいと小耳にはさんだんだけどな」
「なに?……ああ、うんどうせ悪口でしょ?」
「いや別にそういう訳じゃないんだが。付き合う男を全部振ったって本当か?」
「――っ!な、なんで知ってるの!」
 心底驚いた顔の涼宮ハルヒ。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/06(日) 20:02:57.62 ID:pQ8U3muAO
「……」
「……」
 お互いに黙り込む。
 ガタン!
 するとハルヒは沈黙に堪えかねたのかアイツにしては乱暴な動作で椅子から立ち上がり何処かに立ち去ってしまった。まあ、泣かせてしまったわけでも怒らせたわけでもないからおとなしく帰りを待つことにする。
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