過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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651:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:50:12.24 ID:W8rEPNSco

「…………ははっ」

美琴を突きとばす。
何がおかしかったのか、麦野は片手で目を覆い、横隔膜が引きつったかのような声にならない笑い声をあげる。
以下略



652:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:52:45.89 ID:W8rEPNSco

「女の子は良い子にしてればきっと母親が迎えに来てくれると信じて、勉強を頑張った。
 能力開発にも身を入れて、中学生の頃にはレベル4になってた。
 ……でも、何度か手紙のやり取りをするだけで、母親は一度も会いに来てはくれなかった。
 当然かな。その子は"捨てられた"んだ。それでも、女の子は母親の事を大事に思っていた」
以下略



653:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:54:42.83 ID:W8rEPNSco

どんなに心細かっただろうか。どんなに苦しかっただろうか。
ただ救いを求めて、少女は母親の元へと向かった。
だが、

以下略



654:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:55:11.83 ID:W8rEPNSco

女の子は暴走事故で死んだことにされ、名前も経歴も顔や年すらも偽物のパーソナルデータを与えられた。
人権を無視した拷問染みた超能力開発を行われ、その出力はどんどん増して行った。
殺人罪をもみ消す代わりに人を殺させられるという矛盾のような状況の中、いつしか少女は変わって行く。

以下略



655:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:55:57.80 ID:W8rEPNSco

「テメェも同じだよ。『超電磁砲』」

不意に話を振られ、美琴はびくっと肩を震わせた。

以下略



656:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:56:27.08 ID:W8rEPNSco

「は……?」

「絶大な力を持ってるからバケモノ? 救うのも救われるのもダメ? はっ、笑わせないでよ。
 まるでどこかの三下座標移動みたいな言い草ね。
以下略



657:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:57:04.14 ID:W8rEPNSco

けれど、上条と出会ってその考えは変わった。
彼を見て、彼を知って、『正しい力の振るい方』を知った。

「背中の傷は恥だ」と、愛読する漫画に書いてあった。
以下略



658:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 03:57:57.40 ID:W8rEPNSco

しばらく、二人は沈黙を保っていた。
自信に満ちた表情の美琴と、何かを考え込むような麦野。
やがて、

以下略



659:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 04:00:01.30 ID:W8rEPNSco

「……なーんでテメェにムカついてたか、やっと分かった気がする」

順位や研究価値が劣っていたことなど、初めから問題じゃなかったのだ。
麦野が真に妬んでいたのは、その心の高潔さ。
以下略



660:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 04:00:44.60 ID:W8rEPNSco

「だから、テメェはそのままでいてくれよ」

血と硝煙に穢れることなく、平和を甘受してくれていればいい。
汚れて行くのは自分たちみたいな、既に手を汚した人間だけでいい。
以下略



661:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/15(日) 04:01:43.02 ID:W8rEPNSco

病棟内へと戻る階段の戸をくぐった麦野は、そこで身を縮める3人を見てため息をついた。

「……テメェら、こんなとこで何やってんだ? 絹旗までよ」

以下略



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