6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:10:41.24 ID:XCwvBlUYo
「あなたの亡骸を抱えながら、私はキュゥべえと契約して魔法少女になった」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:11:24.24 ID:XCwvBlUYo
独白を終えて、静かに閉じていた目をあける。
きっと泣いているだろうと予想して、そしてその正しさにうんざりする。
自分は一体何度、この少女を泣かせれば気が済むのだろうか。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:12:06.48 ID:XCwvBlUYo
「だから」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:12:53.77 ID:XCwvBlUYo
「……ほむらちゃん」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:13:52.59 ID:XCwvBlUYo
「ずるくて、嫌な子で、よくばり、で、ごめん」
「いや、嫌だよ。 っほむらちゃんたちのいない世界、で、なんて」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:14:22.35 ID:XCwvBlUYo
堰を切ったように泣き出してしまった彼女を、衝動的に抱き寄せる。
胸の中で繰り返される謝罪が、逆に心に深く刺さって、
それでも不思議と、平静を保っていた。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:15:13.36 ID:XCwvBlUYo
口から零れる言葉に、けれども自分の心は動いてくれない。
諦観の根はあまりに深く、私の心を貫いてしまっていた。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:15:59.85 ID:XCwvBlUYo
時計が教えてくれたでもない。
予兆を感じたわけでもない。
ただ経験が、タイムリミットを宣告した。
今も泣き続ける少女を胸から離して立ち上がる。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:16:33.62 ID:XCwvBlUYo
「かつてあなたも、同じ場面で同じことを言ったわ」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:17:27.79 ID:XCwvBlUYo
ほむらちゃんを止めることはできなかった。
窓から飛び去った彼女は、もう遠くに影を見ることすらかなわない。
呆然と立ち尽くすこの身の無力が、ただただ恨めしい。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:18:08.75 ID:XCwvBlUYo
彼女は、私を契約させないためにずっと戦い続けてきた。
そんな彼女の願いを、私は台無しにしてしまえるのか。
答えは出ない。
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