過去ログ - 少女「奴隷はもうやだよ……」
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938:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/24(土) 23:43:00.06 ID:Y4SPWTf2o
少女「まあね……でも、青年さんはないかなー。
 絶対に一緒にいると疲れるって。
 特に数字とか扱わせると必要以上に細かくしそうだし、
 子供が出来たら教育でケンカしそうだし、
 町の人と一緒に遊びにくくなりそうだし」

男「一応俺の弟子だから推薦したが、ボロクソだな」

少女「女性の扱いは男より良いと思うけどね」

男「……否定はせん」

少女「まあ、なによりやっぱり、
 あの人には似合わないと思う。
 騎士道と添い遂げろって感じ」

男「そうだな。良い旦那をしているあいつなど。
 想像もできんか。くく……」

少女「……やっと笑った」

男「なんだ?」

少女「なんか、さっきからずーっと渋い顔で、
 この話をはじめたら、それ以上ににらみつけるし。
 なにか嫌な事でもあった?」

男「……そういうつもりはない。ただ」

 どたどたどたっ

男「なんだ、騒がしいが」

 がちゃっ!

乳母「お嬢様、旦那様が、公爵様がっ!」

少女「……え?」

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  昼  リベルタ公爵宅 公爵私室

公爵 ひゅー……ひゅー……

医者「……発見が早くてよかったですな。
 送れていれば、命の危険もありました」

少女「お父さん……っ」

医者「起こさない方が良いでしょう。
 起きても、満足に呼吸が出来ない苦しみを、
 味合わせてしまうだけです」

少女「あの、父は、病気だったんですか?」

医者「ご本人から口止めされていましたが、
 バレてしまったならば、仕方無いでしょう。
 公爵様は『鋭い咳』の病です」

少女「えっと、それって」

医者「炭鉱や、漁師、仕立屋などで働く、
 労働者に多い病なのですが、
 まれに、肺炎にかかった方や、
 喫煙を多くされる方も、かかることがあります」

少女「そういえば、昔はずっとキセルを使ってたような」

医者「はい。おそらくそれが原因でしょう。
 しばらく前に発病され、以後は悪化を防ぐために、
 自重していただいていたのですが、
 手遅れだったようで……」

少女「手遅れ、って……」

医者「今日や明日に、命を落とすほどではありません。
 ですが、治る見込みもありません。
 このことは、ご本人が一番ご存じです」

少女「……そんな」


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