過去ログ - 少女「奴隷はもうやだよ……」
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941:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/24(土) 23:44:47.42 ID:Y4SPWTf2o
少女「お父さんにね、言われたんだ。
 『好きに生きろ』って。
 あんなに、苦しそうにしながら、
 息が出来ないのに必死に声を押し出して、
 辛いとか苦しいとか、言えばいいのに、
 選んだのが、私のための言葉だったんだよ……」

男「……」

少女「でも、お父さんが本当に治らない病気なら、
 お父さんの跡を継げるのは私しかいなくて、
 好きに、なんて選べる道はないし。
 もし私がもっと早く継いでたら、
 お父さんは、病気を酷くしないですんだのかなとか。
 なんか、よく分からないことがいっぱいで、
 頭の中がずっとぐるぐるしてて……」

男「お前は、そんな事を悩んでいるのか?」

少女「そんな事ってなにっ?!」がっ

男「……」

少女「『他人』の男には分からないかも知れないけど、
 貴族になるなら、これからずっと、ずっと、ずっと!
 人を殺したり、苦しませたり、
 『私が』しなくちゃいけなくなるんだよっ!
 白髪さんが一人死んだら、
 心が裂けるくらい苦しくて……
 町を襲った、あの海賊の人達を、
 罠にかけたり、斬りかかったり、銃で撃ったり、
 数えられないくらい殺して、
 怖くて怖くて仕方無かったっ!
 なのに、もっともっと、殺せって」ぎりぎり

男「人殺しは、怖いか」

少女「……怖いよ」

男「貴族になるのは、怖いか」

少女「怖いよ」

男「なら、お前は、ダメだ」

少女「……だめって、なによ」

男「お前は何もわかってない。
 お前はいったい、何を見ていたんだ」ぐっ

少女「手、離してよ」

男「……父親である公爵の事も、
 死んでいった白髪の事も、
 お前の周りの大人達の事も、
 お前の親友達の事も」どんっ

少女「っ」どたんっ

男「お前は、何も分かっていない」

少女 きっ

男「だが」そっ……ぎゅぅっ

少女「な、」

男「すまなかった」

少女「……いみが、わかんないよ」

男「もう、ムリをしなくてもいいって事だ。
 泣かせてすまなかった。
 苦しませて悪かった。
 今こそ、約束を果たそう」

少女「やく、そく?」

男『俺が、お前を守ってやる』ぽんっ



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