165: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:30:27.45 ID:FPZSYdpM0
さやか「じゃ、宜しくね」
あたしもわざと明るい声でそう言ってやる。
転校生には何も声をかけない。もちろん、転校生も何も言わない。
その間にいるまどかが、ただ不安そうにあたしたちを見ているだけで。
166: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:36:19.68 ID:FPZSYdpM0
◆
がやがやと声が聞こえる。
どうやら一時間目は終わってしまったらしい。眠っていた身体が重かった。
もともと寝起きのいいほうではないけれど、この重さは異常。
167: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:40:58.30 ID:FPZSYdpM0
やがて二時間目のチャイムが鳴り、廊下もまた静かになる。
先生が「ちょっと出かけてくるから寝てて」と保健室を出て行った。
時間の流れが遅かった。
ちくたくちくたく。
168: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:45:15.49 ID:FPZSYdpM0
けれどそれじゃまずい。
あたしは気付かれないよう深呼吸すると、「先生いないよ」と。
すると、「わかってるわ」と当たり前の答えが返って来た。
さやか「……風邪、治ってなかったの?」
169: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:49:27.15 ID:FPZSYdpM0
珍しく、転校生が話を振ってきた。
丁寧に「あたしはあと一時間」と答えようとして、何となくそうするのが癪で
「あんたには関係ない」そう言ってみる。
さやか「悪かったわね、まだあたしがいて」
170: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:55:17.47 ID:FPZSYdpM0
さやか「……いや、別にそういうわけじゃ」
転校生の言葉が意外で、あたしはなんと答えるべきか分からずに曖昧な答え方になってしまった。
すると、転校生は立ち上がりベッドに近付いてきていつかあたしがしたように肩を押し、あたしを寝転ばせた。不意をつかれたせいで、身体は抵抗する暇もなかった。
171: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 23:01:16.95 ID:FPZSYdpM0
いつもよりも転校生の声が温かくて、いつもよりも冷たい転校生の手が気持ちよくて、あたしはうとうとしだす。
あたしの声まで、丸みを帯びてきたように聞こえる。
さっきまでの恐怖だったり苛立ちだったり嫌いとかそういう感情は、
ぼーっと霞む頭が遠ざけていた。
172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2011/06/01(水) 23:05:45.01 ID:4LVbZoc+o
ほむふぅ・・・
173: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 23:13:39.49 ID:FPZSYdpM0
ほむら「……美樹さやか?」
さやか「ねえ、転校生」
あの言葉が本気だったとしたら、あたしはどうすればいい?
174: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 23:14:28.06 ID:FPZSYdpM0
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