過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/06/02(木) 14:09:42.33 ID:L1z8LdJc0
さやか「つーかさ!その子も一緒なら此処で良いじゃん!誰もいないんだし!」
 
 無視を受けることに業を煮やし、さやかは叫んだ。それでようやくまどかもほむらもようやく彼女を認知し、それに同調した。小さなまどかをほむらに返し、弁当を取ってくると言ったさやかの背をまどかが追おうとした。しかしさやかはまどかを止め、自分が彼女の荷物を持ってくると毅然と言い放ち、まどかは苦笑した。さやかは親指を立てると、駆けだした。

ほむら「・・・騒がしい人」

まどか「うぇひひ、でも良い子だよ、さやかちゃんは」

マドカ「サヤカチャン!」

まどか「うん、さやかちゃんだよー」

 まどかは腰を屈めて、ほむらの掌に乗ったまどかに言った。

マドカ「ウェヒヒwww・・・」

まどか「あれ、眠たいの?」

マドカ「ウン・・・」

ほむら「まどか。それじゃぁここでおやすみなさい」

 ほむらは船を漕ぐまどかを制服の胸ポケットにしまいこんだ。まどかはそれを見て微笑み、ふと、言った。

まどか「・・・ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「・・・何かしら?」

まどか「ほむらちゃんとね、さやかちゃんはさ、きっと、仲良くなれると思うんだ」

ほむら「・・・」

ほむら「無理よ」

 背を伸ばし、まどかはほむらと相対した。まどかの瞳には僅かに涙が浮かんでいる。だが、ほむらをまっすぐに見ると、どうしてか内心で焚き上がった彼女の粗暴な物言いに対する怒りが沈静した。決して合わされない視線、引かれた顎、一見して無表情なその顔に、深く悲しみが刻まれているように思えたのだ。まどかは言葉を探した。・・・今の彼女は、傷付けたくない。

まどか「・・・ゆっくりで良いと思うんだ」

ほむら「・・・」

まどか「今は無理でも、ゆっくりで」

まどか「・・・わたしたちには、まだ時間があるから――」

 きっと、そう言えば彼女は微笑んでくれるのだと思った。凍りついた表情を溶かして、春氷のようにゆっくり溶けて微笑んでくれると、心の底から予見していた――。

 だというのに、反して自分が悪寒に凍りついた。ほむらは、まるで氷塊を彫刻したように、生気のない顔を浮かべている。まどかは口を戦慄かせた。こんなはずじゃなかった・・・。
 そうして互いに沈黙していると、高翌揚したさやかがやってきた。彼女はじべたに座り、まどかに弁当を渡した。まどかが、絶えず噴出している汗に言及すると、さやかは笑いながら服の袖で顔を拭き始めた。

ほむら「・・・使いなさい」

 ほむらはさやかに自身のハンカチを差し出した。さやかもまどかも、それに驚愕した。さやかは快活に笑って、それを受け取り感謝を呈した。ほむらは冷然と社交辞令を述べた。さやかがそれをからかい、ほむらが冷たくあしらう。・・・まどかはそれを見ながら、自分の予見はきっと正しいのだと、信じたくなった。・・・しかし、ほむらの冷徹な表情がちらついて、それがまどかの確信を妨げ、良心を呵責した。


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