過去ログ - はやて「みだす…銀行?」
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488:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/28(木) 00:15:44.13 ID:TtiL6PxAO
「それにしてもはやてちゃん、最近すっかり元気になったね」

「え、そうかなぁ?」

「そうだよ。アクティブになったって言うか……特にその新しい車椅子とか、何よりの証拠だと思う」

すずかは妙に嬉しそうに、今はやてが座っている真新しいスポーツ用の車椅子を指差した。

「そう言われると……そうかもしれんへんなぁ」

以前すずかと会った時からだいぶ経つが、思えばその間にはやての生活環境は大きく変わってしまっていた。
グレアムからの仕送りが途絶え、金融街に招かれ、リィンと出会い、ディールを繰り返し……
この車椅子だって、その新たな現実の中で生きようとした結果、必然的に手に入ったのだ。

―――元気、かぁ

金融街に入って人一倍、生きること、大切なものを守ることに必死になったからこそ、端から見れば『元気』に見えるのかもしれない。

「なぁ……すずかちゃん」

「ん、なに?」

「……未来ってなんなんやろうね」

沈黙。
すずかはティーカップを手に持ったまま、目を丸くしてはやてを見つめていた。

―――って私、なんでこんな質問してんねやろ?

思わず零れた質問。だが余りにも脈絡が無さ過ぎた。
そう思い、はやてが「なんでもない」と質問を打ち消そうとしたが、その前にすずかはカップをテーブルに置くと悩ましげに唸った。

「未来、かぁ……難しい質問だね。どうして突然?」

「あ、いや、ちょっと気になっただけやねんけど」

「……あんまり深く考えたこと無いなぁ。それって自分の将来のこととか?」

聞き返してきたすずかの表情は、別段真剣だというわけでも無い。
だが聞き返されたことだし、この話題をうやむやにする必要も無いだろう。
はやてはそう考えた。

「それもそうやけど……なんか、こう全ての人にとって、未来そのものってなんなんやろなっていう」

―――……我ながらようわからん説明やなぁ

投げかけた自分でもよく分からない問いに、はやては少し恥ずかしくなった。

「全ての人……うーん難しいね、意味もなんか、漠然としてるし」

漠然。
自分がリィンと出会い、そして未来という言葉を真坂木や竹田崎から聞かされた時も同じことを思った。




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