308: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/23(木) 23:56:34.39 ID:Cg05IDA/o
夕食を終える。
普段家では見られないようなものだったけれど、みんなで食べているだけでそれはとても格別で。
ついつい楽しくなって、食べ過ぎて、騒ぎ過ぎてしまった。
もっとも、あの二人ほどではないけれど。
309: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/23(木) 23:57:37.24 ID:Cg05IDA/o
カツンコツンと、ピンポン玉の打たれ弾む音がリズムよく響く。
どちらかといえば、佐倉さんと巴さんのペアが優勢。
鹿目さんに美樹さんもよくやっているけれど、運動量とテクニックでどうしても差があるようだった。
それを理解してか、挑発が飛ぶ。
310: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/23(木) 23:58:28.93 ID:Cg05IDA/o
「―――――うわあ、すごい」
「絶景、ね」
311: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/23(木) 23:59:13.32 ID:Cg05IDA/o
「残念だけど、そうとは限らないわね」
「……やっぱ、そうですか」
312: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:00:12.49 ID:GrFMFIkKo
「そうね、その通りよ」
「……そう、ですよね」
313: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:02:59.71 ID:GrFMFIkKo
**********************************************
「う、ん…………」
314: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:03:34.41 ID:GrFMFIkKo
窓の外は闇。
部屋の中には、仄かな明かり。
虫の鳴き声を僅かに残し、世界は静かにわたしたちを包み抱く。
315: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:04:16.80 ID:GrFMFIkKo
彼女は考え込む素振りを見せてから、
静かに首を横に振る。
316: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:04:57.47 ID:GrFMFIkKo
ここで肯定を返してくれれば、それでよかったけど。
彼女は違った。
なくしたものを確かに感じていた。
その思いが彼女の胸にあることが、確かな現実だった。
317: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:06:06.58 ID:GrFMFIkKo
「君には記憶が欠けている。 かつて君たちが生きた世界の記憶が」
「だけど、これを聞いたら、君はきっと今の状態には戻れない」
318: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/24(金) 00:07:24.20 ID:GrFMFIkKo
彼女はとても強かったから。
わたしのよく知っている彼女のままだったから。
だからわたしも、彼女の意志を尊重しよう。
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