10:1[sage]
2011/06/15(水) 22:24:09.57 ID:DsyMhTCS0
ーーー ハリコフ 2015 3/26 12:05 −−−
その命令を無線から知らされた私は、荒野を駆け出す。
常人のそれより魔法で強化されている私の肉体は、
平坦な荒野をローラーダッシュにより時速60km前後で疾走する
トパーズ隊の12式装甲戦闘歩行車、
”HIGH-MACS”にも追従する事が出来ていた。
やがて、前方に土煙が見え出す。
近づいていくうちにその土煙を生む姿は大きくなり、
敵戦車4両と歩行戦車2両が接近している事を私は
理解する事が出来た。
敵もこちらへ近づいてきてはいるが、トパーズ隊は
彼らとの戦闘で負ける事はないだろう、と安心していた。
戦車は平地ではトパーズ隊にとって厄介な存在ではあるが、
トパーズ隊の”HIGH-MACS”は”第二世代”の歩行戦車であるため、
三次元機動が行える事を私は知っていたからだ。
また、戦車と共にいる歩行戦車も、今となっては型落ちとなっている
”第一世代”のもの。元々は不整地に機甲戦力を持ち込むために
生み出されたそれは、平坦な土地ではアドバンテージを生かせず、
鈍重な大きい砲台でしかない事も私は知っていた。
”HIGH-MACS”はバーナーに火を付け、空へと浮かび上がる。
そして、先ほど彼らが空中からの攻撃を敵にお見舞いしたように、
眼前に迫る敵を再び空中から狙い撃ちにしていた。
私もそれに合わせて、右腕に持っている盾の中に魔法で収納
しておいた対戦車ロケットを取り出し、彼らが撃ち漏らした戦車に
照準を合わせる。
ロケットは炎の弧を描きながら、レオパルド3のキャタピラへ向けて
突進して行った。その爆発を受けて、戦車は動きを止める。
眼前に居た敵達は、もはや鉄くずとなって黒煙をあげていた。
そして私達はそのまま、次の獲物を求めて前進を続けた。
253Res/257.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。