11:1[sage]
2011/06/15(水) 22:24:37.44 ID:DsyMhTCS0
 「トパーズ4より各機、戦闘ヘリが来ているわ」 
  
 「見えている、大丈夫だ」 
  
  そう警告したのは、自分自身のためでもあった。 
  
  一応は、盾の中に携帯型地対空ミサイルも持っていた。 
 しかしそれを使うには、敵機のロックオンのために足を止める 
 必要がある。 
  
  いくら魔法で強化された肉体とはいえ、戦車の砲撃などを 
 食らってしまえば、私の体など吹き飛んでしまうだろう。 
  
  だから、なるべく空の敵の処理は彼らに頼りたかった。 
  
  もう地面に着地してしまっていた彼らではあったが、 
 ”HIGH-MACS”の右手に持つ120mm滑空砲に取り付けられた 
 30mmガトリング砲が、地上から空に向けて放たれていた。 
  
  ある程度のコンピュータ補正があるとはいえ、ほとんど 
 目視照準に近い状態で撃たれる機銃は、敵の戦闘ヘリに 
 なかなか命中しない。敵味方ともに電子妨害をかけあっている 
 戦場では、射撃コンピュータの補正など役には立たなかったのだ。 
  
  逆にヘリから放たれるロケット弾。これもまた、”HIGH-MACS”達に 
 命中する事はなかった。高速移動する兵器同士、お互いに 
 有効打を得る事が出来ずに、耳障りな射撃音と爆発音を発しながら 
 時間だけが経過してゆく。 
  
  長い撃ち合いの末、ついに”HIGH-MACS”の機銃弾が 
 ヘリを捉える。ヘリはローターではなく、機体自体をくるくると 
 回転させながら、地上に落ちて火の玉を作り出した。 
  
  続けて向かってくる歩兵戦闘車、マルダー2を私は発見する。 
  
 「こちらトパーズ4、西から歩兵戦闘車。 
 迎撃に向かう」 
  
 「トパーズリーダー、了解。なるべく、こまめな連絡を」 
  
 「分かっているわ」 
  
  そうして私達は散開した。 
  
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