過去ログ - 杏子「あたしの恋はベリーハード」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:31:16.84 ID:pd9i2CU5o

 第一章  転入


「あ、あの…あ、暁美…ほ、ほむらです…その、ええと…どうか、よろしく、お願いします」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:31:53.59 ID:pd9i2CU5o
「暁美さん?」

 物珍しさに取り付かれた、クラスメート達の質問攻めをストップさせたその声の方に振り返ると、
 優しそうな表情をたたえた女生徒がほむらに微笑みかけていた。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:32:33.51 ID:pd9i2CU5o
「ごめんね。 みんな悪気は無いんだけど、転校生なんて珍しいから、ハシャイジャッテ!」

「いえ、その…ありがとうございます…」

 そう言った後で、折角話しかけてくれたのに会話としてそれを発展させることが出来ない自分をほむらは更に嫌悪した。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:33:13.08 ID:pd9i2CU5o
 ほむらは、まどかが自分の事を下の名前で呼ぼうとしているのだと知り、少し気持ちが陰った。
 そんな自分の内面は他人の好意を無下にしているようで、更に罪悪感が積もってくる。

「私、その…あんまり名前で呼ばれたことって、無くて…すごく、変な名前だし…」

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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:33:54.60 ID:pd9i2CU5o
「――名前負け、してます」

 モヤモヤと、いくつも言いたいことが複雑に頭の中を巡っているが、結局それしか言葉に出来なかった。

「そんなのもったいないよ。 せっかく素敵な名前なんだから、ほむらちゃんもカッコよくなっちゃえばいいんだよ」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:34:36.63 ID:pd9i2CU5o
 保健室で薬を服用している最中から、ほむらは胸の内に冷たい不安が溜まっていくのを感じていた。

 この学校の構造はよくわからないし、建物の中はどこも似たような調子で、ここが何階かも分からない。

 ドジな自分は休み時間が終わるまでに教室に戻ることが出来ないかもしれない…
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:35:17.15 ID:pd9i2CU5o
 数学の授業が開始されて数十分後、ほむらはせっかく治ったばかりの心臓が停止するかと思った。

 そしてその危機は今以て継続中である。 
 全開の鼓動に、いつこの慣らし運転中の脆弱な血流ポンプがぶっこわれるのかと不安になる。

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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:35:58.53 ID:pd9i2CU5o
 午後の体育でも、ほむらは晒し者になっていた。

 みんなが一生懸命汗を流している気配を感じながら、独り外れて木陰に蹲り、休んでいる。

「準備体操だけで貧血って、ヤバいよねー?」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:36:43.09 ID:pd9i2CU5o
 授業が終わると、外階段掃除の当番に任ぜられ、ほむらは男女一名ずつの後ろについて校舎裏の暗がりに導かれてきた。

「ここの当番は天国ですわ」

 ところが女生徒の方は清掃区域に着くやいなや、そう言って掃除用具を放り投げた。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:37:42.37 ID:pd9i2CU5o
「やっぱり志筑さんはよく分かってるなあ」

 上条くんと呼ばれた男子生徒はそう言い、ニヤニヤしながらほむらの後ろに回りこんできた。

 ほむらが嫌な雰囲気を感じ取ったと同時に、上条は無言で彼女を羽交い締めにし、その動きを封じた。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:39:07.24 ID:pd9i2CU5o
「あはは、この娘、既に泣いちゃっているよ。 志筑さん、やっぱり許してあげようよ」

 上条は冗談でも言うように、笑い混じりにそう言った。

 許してやろうなどとは露程も思っていない物言いだ。
以下略



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