過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:45:40.24 ID:p9D9L+3go
「みゆきさん! みなさんも……良かった……」
みなみちゃんは喜びと安堵をその声に乗せると、小走りになってこちらへ近寄ってくる。
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2011/09/15(木) 01:49:16.43 ID:p9D9L+3go
「そいつから離れろぉぉぉぉぉぉ!」
銃弾のように飛び出した日下部の、その怒号の向こうから、彼女の屈託なく響く声が聞こえた。
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2011/09/15(木) 01:51:32.62 ID:p9D9L+3go
いただきます。
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2011/09/15(木) 01:54:16.20 ID:p9D9L+3go
反応したみなみちゃんが振り向く、その動きよりも早く『それ』は彼女の左肩に顔を埋めていた。
正面から見えるのは頭だけだが、彼女の肩にその顔の半分が文字通り”埋って”いるようだった。
駆け寄った日下部が、その頭を掴んでみなみちゃんから引き剥がそうとする。
すぐに『それ』の腕が伸びて、日下部の体が弾き飛ばされた。
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2011/09/15(木) 01:56:44.97 ID:p9D9L+3go
「……あ……あ、ああああああああああああ!」
跳ね上がった彼女の顔が苦痛で歪んでいく。
裂けるほどに開かれた口から叫び声が溢れ出す。
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2011/09/15(木) 01:58:52.25 ID:p9D9L+3go
それを合図に、凍り付いていた私達の時間が動き出す。
みゆきはみなみちゃんの傍に駆け寄ると、ワンピースを脱いで彼女の傷口を縛りつけた。
肩を半分抉り取られて白い骨が覗く傷口から止め処なく溢れ出す血が、すぐにワンピースを真赤に染め上げる。
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2011/09/15(木) 02:00:12.14 ID:p9D9L+3go
私も三人の下に歩み寄って、羽織っていたカーディガンをみゆきに渡した。
だけど、苦しみに喘ぐ彼女を横目に捉えながらも、私はただその向こうをじっと見据えた。
彼女を突き飛ばしてから、まるで観察するみたいに私達をじいっと見ている『それ』の姿を。
私はみなみちゃんを追い越して、彼女と『それ』の間に身を置いた。
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2011/09/15(木) 02:01:29.62 ID:p9D9L+3go
ごちそうさまでした。
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2011/09/15(木) 02:03:12.51 ID:p9D9L+3go
と、朗らかな声を上げて手をパチンと軽快に重ね合わせた。
かと思えば両手が溶け合うように一つになり、そこを起点に全身が形を失っていく。
そして、10秒。
319:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 02:09:22.42 ID:p9D9L+3go
「いやー、感動だよかがみん! まさかこんなに速く来てくれるなんて」
どうして、こなたなのだろう。
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