過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:26:39.77 ID:xm2Rv5pmo
「……みゆきさんも気づいた?」
隣から声をかけられ、暗闇の中に泉さんの影を確認する。
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2011/07/31(日) 00:28:30.54 ID:xm2Rv5pmo
闇に馴染んだ目で室内を見回すと、どうやらつかささんを除いて全員が目を覚ましてしまっているようだった。
それも当然のことで、ノックの音は時を追うごとに激しくなっている。
今ではトントン、よりもドンドンという擬音が適切に感じるほどだ。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:29:53.06 ID:xm2Rv5pmo
泉さんはドアから顔を離すと、頭上に疑問符を浮かべて振り返る。
私も彼女を見つめ返す。
みんなの様子を伺っても、一様に怪訝な表情を浮かべるばかりだ。
いつの間にか起きていたつかささんが、眠たそうに目をこすっていた
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:30:58.46 ID:xm2Rv5pmo
ドアに鍵をかけたことを確認して室内に戻ると、突然視界が真っ白になった。
反射的に目を瞑るが、すぐに電気がつけられたのだと気付き目を慣らしながら開いていく。
みなみさんが電気のリモコンを片手にこちらを見つめていた。
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:32:10.63 ID:xm2Rv5pmo
ガラスの炸裂する音。
会話が断たれる。
全員が一斉に振り返った。
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2011/07/31(日) 00:34:11.91 ID:xm2Rv5pmo
「蛾……?」
誰が呟いたかは定かでないが、それの形は例えるならまさに蛾だった。
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2011/07/31(日) 00:34:58.37 ID:xm2Rv5pmo
「なに……あれ……」
つかささんがほとんど声にならない声をもらす。
瞬間に蛾の頭がこちらを向いて、口が笑ったように開かれた。
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:35:54.38 ID:xm2Rv5pmo
私は反射的に立ち上がる。
だが、それだけだった。
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:37:17.75 ID:xm2Rv5pmo
「みゆきさんっ!」
目の前に純白の壁が立ち、寸前まで迫っていた蛾は視界から消え去る。
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:38:28.06 ID:xm2Rv5pmo
深呼吸。
昂ぶった鼓動を落ち着かせ、辺りを見回す。
見つけたのは一個の消火器と、まだ立ち上がることのできない3人の姿。
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:39:15.74 ID:xm2Rv5pmo
「……はい」
左手の助けを得ながらだが、確かな足取りで彼女は立ち上がった。
いつもと同じ、ささやくように優しく、けれど力強い声が私に安堵を抱かせる。
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