50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/26(火) 22:30:42.52 ID:IUly5t9D0
しかしスピードを出しすぎたほむらの車も制止が効かなくなり、止めようもなくなった車が、
前方の電柱に正面から突っ込んで激突した。
へこんだ仁美の車のボンネットが浮き上がり、強烈な反動が二人を襲った。
激突した電柱がひん曲がるほどの衝撃であった。
形はともあれ、車はやっと停まった。
「大丈夫?」ほむらが仁美の肩を両手で支えてやり、きいた。
「死にましたわ…」目に涙を溜めた仁美が助手席でどうにか答える。
「生きてるみたいね」ほむらが言うと、運転席をたった。「そこで待っていて」
車を降りるとほむらは、さやかの横転した車にむかって歩いた。
静まり返った夜道にゆれる黒い長髪がよく似合っている。
横転した車の中で、さやかは身動きとれないでいた。
「ん…んあぁ……あ…はぁ…」
ほむらはそのさやかを力ずくで引っ張り出す。「ん…」さやかの喘ぐ声がする。
胸倉を掴み、横転した車に叩きつけるとほむらは問い詰めた。
「まどかはどこ!」
「アタシのソウルジェムにキスしろ!!」
胸倉を掴まれ苦しい顔をしながら、さやかが罵る。
「どこよ答えなさい!」ほむらは胸倉つかむ力をさらに強める。
「誰が喋るかよくたばれ転校生っ!」さやかも意地張って口を割ろうとしない。
「見上げた忠誠心ね、美樹さやか」
するとほむらは言い、さやかを抱きかかえると、ひょいと持ち上げた。
「けれど、あなたの命を張るほど、値打ちのある相手かしら」
言いながらほむらは山道の崖までさやかを運び、左足だけ手に持って逆さに吊るす。
「さあ頭を冷やして、冷静になって考えてごらんなさい」
逆さ吊りになったさやかの視界に、まっさかさまな崖下が突き詰められる。
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