87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 08:56:17.98 ID:Nz5OzQ1/0
「御託は良いから、そろそろなんとかしてくんない?」
やれやれと、肩を落とし、兄に言う。
「なんとかって、何を?」
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 09:09:32.44 ID:Nz5OzQ1/0
「……ごめん」
うなだれる兄。
相変わらず表情は変化しないけど。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 09:12:51.81 ID:Nz5OzQ1/0
「にしても……」
サッと辺りを見渡す。
「よくもまあ、こんなに集めたもんだわね」
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 09:16:16.27 ID:Nz5OzQ1/0
「まあ、感心はするけどね」
「こんなに人形ばっかり集めて……」
吐き気するくらいに、そう思う。
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 09:21:24.07 ID:Nz5OzQ1/0
「いったいどこでこんなに集めてくるのか…」
大小様々な人形があるけど、大きいのになったら人間と変わらないサイズのモノまである。
こんなの、何処行けば置いてあるのよ?
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 09:38:02.95 ID:Nz5OzQ1/0
残念がる兄を横目に、あたしは追い打ちをかける。
よせば良いのに……。
「あんたの頭がおかしいってのは今の会話だけで十分理解したから」
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 11:54:23.85 ID:Nz5OzQ1/0
「そうか?」
兄は意外そうに言う。
「そうよ」
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 11:55:52.55 ID:Nz5OzQ1/0
「それは聞き捨てならないな」
「まだ使えるモノを捨てる現代人の方が、俺には狂ってると思うぞ」
兄貴はさっきまでとは打って変わって、真剣な口調で話し始めた。
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:39:46.82 ID:Nz5OzQ1/0
「うそだな」
「本当よ」
嘘だけど。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:42:33.77 ID:Nz5OzQ1/0
「あっ、信用してねーだろ!」
「あんたの話を信じるバカはこの世にいないわ」
信用するまでもなく、当たり前の話じゃない。
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:43:52.84 ID:Nz5OzQ1/0
「てめっ!」
はいはい。
「ほら、口よりも手を動かしなさいよ」
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:47:03.08 ID:Nz5OzQ1/0
それから、あたし達は黙々とただ作業を続けた。
まるで口のきけない人形みたく。
けど……、
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:51:05.06 ID:Nz5OzQ1/0
「まあ、作業に支障が出ない程度ならいいわよ、早漏くん?」
渋々、了承する健気なあたし。
出来た妹に、感謝してもらいたいわ。
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:53:12.10 ID:Nz5OzQ1/0
「……」
「……」
ほんの少しの静寂の後、思い出したように兄が呟く。
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:56:10.57 ID:Nz5OzQ1/0
「憐みの目はやめて。わりと本気で傷つくから」
兄貴は、表情にまったく悲しそうな素振りも見せないまま、口調だけ変化させる。
「傷つきなさいよ、どうせ数レス流れたら忘れるんだから」
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 15:58:53.71 ID:Nz5OzQ1/0
「まあ、いいや」
兄は、さぞどうでも良いように囁くと、
「……え〜〜〜と、そうだった、そうだった」
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 16:32:52.92 ID:Nz5OzQ1/0
「ふっふっふ、見直したか、妹よ?」
自慢げに語る兄。
「別に…」
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 16:38:12.45 ID:Nz5OzQ1/0
「ごほん!」
数瞬沈黙した後、兄貴は咳ばらいを一つ払った。
「……」
105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 16:44:14.09 ID:Nz5OzQ1/0
「いやいや、ふつうは中の部品をリサイクルする為に電気屋とか専用のトコ持ってくじゃん」
けど、そんなあたしの思惑とはお構いなしに兄貴は語り続ける。
「まあね」
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[!red_res saga]
2011/08/01(月) 16:54:50.27 ID:Nz5OzQ1/0
「でも、それはテレビとかの話でしょ?」
「人形は違うわ」
無理やり話題を変えてみる。
107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄)[sage]
2011/08/02(火) 00:26:57.52 ID:6rHesG1AO
タイトル的に17番目の妹が死ぬスレかと思ったんだが違うのか
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