20: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:13:33.49 ID:BFRrGUMm0
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多くの人々が学校や会社に向かい始める朝の時間帯。
21: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:14:52.13 ID:BFRrGUMm0
出会って一日にもかかわらず、まどかはマミにすっかり懐いていた。
それは嫌な夢の印象も消えてしまうほどに。まるで昔からの知り合いだったように。
まどかは、今日の夕方に予定された魔法少女体験コースにも参加することにしている。
「楽しんで来なって、言いたいとこだけど、夢中になって帰りが遅くにならないようにね」
22: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:16:48.21 ID:BFRrGUMm0
学校に近づくと、まどかの心は少し乱れた。きっと、転校生の暁美ほむらは教室にいるだろうから。
仁美とクラシック音楽の話で盛り上がっていたさやかが、まどかの不安を察し、テレパシーを使う。
キュゥべえの力により、彼女たちはテレパシーで会話ができるようになっている。
――どうしたの?
23: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:17:49.00 ID:BFRrGUMm0
「お二人とも、突然どうしたんです? 黙って、相手のことをじっと見ていますけど……」
「えっ? な、何でもないよ。ねぇ、さやかちゃん?」
「そう、何でもないからさ。気にしないで」
24: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:19:03.69 ID:BFRrGUMm0
昼休み、学校の屋上で、まどかとさやかはお互いの心境を確認しあっていた。キュゥべえはいない。
今朝、教室に着いてすぐに釈明をした結果、仁美の誤解を解くことはできた。
二人の頭を悩ましているのは願い事とその代償だ。
25: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:19:41.10 ID:BFRrGUMm0
「それにね、まだ迷ってるの。今の私は幸せだから、魔女と戦う方が怖くて嫌だなって、思っちゃう。
私、臆病だよね? 夢が叶うチャンスなのに」
「そんなことない。あたしもいろいろ考えたけどさ、やっぱそこで悩んじゃうわけだし。
まどかは確かにちょっと怖がりだけど、やさしい子だよ」
26: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:21:05.66 ID:BFRrGUMm0
――私が見張っているから安心して。
――ふぇ? マミさん?
――僕もいるよ。
27: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:22:08.90 ID:BFRrGUMm0
「あの、その、暁美さん?」
「……ほむらって、呼んでもらえるかしら」
淡々と返事をしていたほむらが言いよどむ。
28: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:22:54.90 ID:BFRrGUMm0
昼休みに起きた衝突の後は、何もない平和な時間が過ぎゆくばかり。
そして、放課後。予定されていた魔法少女体験コースが始まる。
オレンジ色の町なか、マミはソウルジェムと呼ばれる宝石を頼りに、魔女の気配を探っていた。
彼女のうしろを、バットを手にしたさやかと、キュゥべえを抱えたまどかがつづいて歩く。
29: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:24:13.45 ID:BFRrGUMm0
「……あの、マミさん」
「マミさん、あそこ!」
まどかの小さな声はさやかの叫び声にかき消された。
30: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:24:57.46 ID:BFRrGUMm0
「これで身を守る程度はできるけど、二人とも絶対に私の傍を離れないでね」
「はい、わかりました」
「さやかちゃんも頑張っちゃいますよー」
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