過去ログ - 真宵「これも、また、戯言ですかね」
↓ 1- 覧 板 20
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:23:38.32 ID:4VTMtEH9o
016
その後、僕と真宵ちゃんは、結局、どこにも行けなかった。
家に帰ろうとしても、何故かたどり着くことができず、逆に真宵ちゃんのメモの住所の
方に行こうとしても、着くことができなかった。気が付けば、もう、日が暮れそうになっ
ていた。
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:24:39.48 ID:4VTMtEH9o
「まったく、女の子に無駄な心配をかけさせちゃいけないぜ。阿良々木くん。本当は、君、
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
全部わかっているんだろ?蟹のお嬢ちゃんの……ツンデレちゃんの乙女心をわからなくて
もいいから、わかろうとする努力くらいはした方がいいんじゃないのかな」
「蟹?」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:26:34.31 ID:4VTMtEH9o
017
「迷い牛」
とてつもなく不機嫌そうに、とてつもなく怒ったように、唸るように低い声で、忍野メ
メはそう言った。普段飄々としている男なので、このような直接的な感情表現はとても珍
しい。というか、初めて見た。ひたぎちゃんと何か一悶着あったのだろうか、それとも、
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:28:11.16 ID:4VTMtEH9o
「君が遭っている怪異――迷い牛は、ついている者を迷わせる怪異なんだ。憑いているじ
ゃなくて、ついている。迷い牛についていくものを、迷い牛をつれているものを、迷わせ
ているのさ。だから、ただ迷いたくないだけなのならば、迷い牛から離れればいい」
「………………」
「そんな不満そうな顔をするなよ。ちゃんと、教えてやるさ。根本的な解決方法のヒント
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:28:45.61 ID:4VTMtEH9o
近寄らないでください。
迅速に全速力でどっか行っちゃってください。
それは、そういう意味だったのか。
「迷い牛は、世間一般的な言い方をすると、幽霊とでも言うべき存在なんだ。だから、そ
の性質上、自分の知っている道路でしか対象者を迷わせるところできない。ここまで言え
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:29:17.01 ID:4VTMtEH9o
018
忍野と別れ、ひたぎちゃんとともに、僕は真宵ちゃんの目指す家を目指すことにした。
の、だが、
「…………」
「…………」
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:29:58.31 ID:4VTMtEH9o
それからしばらく進んで、まばらだが人が出てくるようになった。忍野の方は仕事を終
えたらしい。そんな中、ひたぎちゃんがいきなり立ち止まった。
なんだか困ったようにしていて、顔にほんのり朱がさしている。
どうしたのだろう。新しい道が見つからなくなってしまったのだろうか。
ひたぎちゃんは口を開いた。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:30:25.74 ID:4VTMtEH9o
どんな、どんな気持ちなんだろう。以前の自分の居場所がなくなっているのは。僕には
わからない。もう人ではない僕には。
これでこの話は終わりかと思われたがひたぎちゃんは動かなかった。何かをためらって
いるようだ。
それから、三秒ほどして――ひたぎちゃんは、そこで決心したように、口を開いた。
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/16(火) 11:30:47.34 ID:6yQuEpMDO
いーちゃんいくらなんでも忘れ過ぎだろと思たけど拭森さんなら仕方ないな
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:31:22.45 ID:4VTMtEH9o
それから、何分たったのか、何時間たったのか、動揺しすぎてわからないが、とにかく、
真宵ちゃんの目指していた場所――あのメモに書かれていた通りの住所の場所に、僕達は
着いた。
が、しかし――
「……でも、こんな」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:32:12.79 ID:4VTMtEH9o
世の中はそんなにうまくいかないものなのか。
願いは叶わないのか。
「う、うあ」
隣から真宵ちゃんの嗚咽が聞こえた。
あまりの現実に、とにかく驚くことだけに精一杯で、肝心の真宵ちゃんのことを、全く
80Res/69.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。