158:1[saga]
2011/10/08(土) 23:51:29.09 ID:Ytwh+CC40
「……ゴメン。恭介の気持ちも考えずに……。私、ちょっと無神経だった…」
さやかの気持ちとは裏腹に、声に出たのは謝罪の言葉だった。
それを聞いた恭介は、はっ、とする。
「いや、僕の方こそごめん。さやかは厚意でしてくれていたのに…。
…すまないが、一人にしてくれないか。頭を冷やしたいんだ。
それと、今度からは音楽に関係しているものを持ってくるのはやめてくれると嬉しい、かな…」
「…うん、わかった。また来るね。バイバイ」
さやかは静かに病室のドアを閉めた。
病室を出ると、その足で屋上へ向かう。
屋上は心地よい風が吹いていた。
さやかはフェンスに寄りかかり、遠くの景色を眺める。
頭に浮かんでくるのは先ほどのやり取り。
なぜ、たった一言が言えなかったのだろう。
…そんなこと、考えるまでも無いじゃないか。
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