20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/28(日) 18:55:03.60 ID:vDKXf2v5o
このままではいけない、と彼は考えている。
日々の中でその考えを思い出すことはほとんどなかった。それは不意に現れては、彼の心に小さな傷をつくって消えていく。
彼は堂々巡りの思考をやめて、何も考えないことにした。そうすると今度は、時間が流れていくことを不安に思った。
以前まで馬鹿にしていた何かのように、朝が来るのを呪った日もあった。彼はついに憔悴しきり、どうにかなってしまいそうになる。
何の益にもならない妄想に一日を費やしたこともあった。
あの高校入学後の一週間、自分が別の行動を取っていれば。あるいは、もっと前、別の選択をしていたならば。
そんなことを考えていても仕方ないと気付いているのに、考えずには居られない。
ベッドの上で毛布を被りながら、眠る前に神に祈ったこともあった。
どうか、時間を戻してください。その願いが聞き届けられることは、当然、なかった。
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