36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/29(月) 11:46:19.30 ID:PjuOVipoo
こうして実際に会ってみると、内面はともかく、さまざまな面でヤマトが変わったことに気付いた。
まず、前はどんなにくだらない言葉にも笑顔を見せる人物だったのに、今は笑わなくなった。
後ろに居並ぶ友人たちにかける口調も、少し違うものに聞こえる。
中学では中心にいた彼も、高校でまでそうはいかなかったのか、あるいは高校では、そんな区別の意味がなくなってしまうのか。
ろくに高校に通っていない彼には、その判断はつかなかった。
こうしたコンプレックスは、常々彼を悩ませていた。結局のところ、自分が不利なることを、自分で行っただけではないのか。
そんな考えに包まれることも一度や二度ではないし、実際、その通りだと彼も認めていた。
ヤマトはこれから入学の手続きをしに行くのだと言いながら、なかなか彼の元から離れようとしなかった。
話でもしたいのかと怪訝に思いヤマトを見る。彼は何かを言いたげに立ち止まっていた。
そうこうしているうちに時間が経ち、彼が乗るバスが出る時間になる。
ヤマトはまだ何かを言いたげにしていたが、彼はそれにかまわずバスへと向かった。
「それじゃあ、俺は行くから」
彼がはっきりと言うと、ヤマトは少し戸惑った表情で「ああ、またな」と返事をした。
132Res/141.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。