43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/29(月) 11:49:42.67 ID:PjuOVipoo
絶対に、自分のせいじゃない。
でも、現状から抜け出そうとするならば、自分が労力を負わなければならない。
苦労してまで、あのわずらわしい社会に回帰する理由はあるだろうか?
学校生活でさえ、彼には単調で耐え難いものだったのに、それ以上の苦労をこなすことができるか?
そうまでして生きていたいのか?
――俺は、どうすればいいんだろう。
どうすればいいんだろう。
どうすることができるんだろう。
彼の頭では、ぐるぐるとそんな言葉が回っていた。
確かに、彼は自分から抜け出すことを選んだ。それは、この世に価値のあることなんて何一つないように思えたからだ。
客観的になれば身勝手な言い分かもしれない。けれど彼には、どうにもその意思が正当性のある主張に感じられる。
彼は、自分から望んでこの場所に立っている。
――でも。
「――だったら、俺が悪いのかよ!」
全部が全部、自分の責任でしかないのだろうか。
自分の責任で道を選んだ以上、誰の助けも借りず、この場所から這い出さなければいけないのだろうか。
そんなのはおかしい、と彼は思う。
鬱屈した感情が、目に映る光景を暗く染め上げていく。
132Res/141.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。