69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/09/14(水) 21:09:19.95 ID:mA+Gemau0
少女「…」
人々の往来が激しいロビーで、少女は馬車が出発する時間を待っていた。
既に任務に備えて装備の修理点検は済ませていたし、ある程度の腹ごなしも終えている。
他のメンバーは慌ただしく準備している頃だろうが、彼女は一人ベンチに腰掛けて観葉植物の葉脈を数えるほど暇なのだった。
紅髪「ねえねえ、リンゴジュースよ、飲む?」
少女「…いえ」
また後ろから声をかけられた。
女性は片手のコップをこちらへ差し出したが、少女は掌で遠慮を示す。
紅髪「そう?さっき到着したばかりの絞りたてなのに…」
女性は突き返されたジュースを一気に煽り、先程のブリーフィングによる口の渇きを癒した。
壁に背を預け、ギルド内の賑やかな往来へ無意味な視線を送っている。
紅髪「…さっきはありがとうね」
少女「?」
紅髪「私の依頼、請けてくれて」
少女「…丁度暇だったから」
紅髪「ふふ、助かったわ、本当よ?」
少女「お礼はいいわ」
紅い目を見やる。
少女「ギルドの長から頼まれた仕事なら、断れないもの」
紅髪「…あら、わかってた」
“ばれちゃったか”とでも言いたげに女性は微笑んだ。
少女は微笑まない。
少女「目を見てわかった」
紅髪「…ふふっ、面白い子ね」
少女「…」
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