12: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:29:38.58 ID:axtTgyEU0
「なんだか、安心したよ。
君が閉じ込められてるんじゃないかって思ってたから。」
そう言って、真ん中の皿からクッキーを一つつまんだ。
意外と甘味が濃くて、ストレートの紅茶によく合う。
13:短いし全部投下しちゃうか…… ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:37:21.22 ID:axtTgyEU0
「そう、私はソラ。あなたはダイチ。」
「僕たち相性のいい名前だね。」
まるで、こうして会うために決められたような名前だな。
14:短いし全部投下しちゃうか…… ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:39:46.09 ID:axtTgyEU0
そのお願いを素直に嬉しいと思ったのと同時に、
別の考えが頭を巡った。
愛してほしいという願いは、
好意の他にも意味がある気がする。
15: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:44:47.79 ID:axtTgyEU0
それからソラはお城の中の案内を始めた。
ソラは足が速い。
僕の手を引いて全速力で走るので、
転ばないようにするのがやっとだ。
16: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:48:36.89 ID:axtTgyEU0
明かりのない階段を足元に気をつけながら降りると、
ただっ広い部屋へ出た。
天井に明かりをとるための丸い穴が空いていて、
中央で寝息を立てる巨大な生き物を照らしている。
17: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:54:33.64 ID:axtTgyEU0
次に案内されたのは書斎。
試しに一冊開いてみると、
どこの国か分からない文字が書かれていて読めなかった。
18: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:57:30.19 ID:axtTgyEU0
部屋をほとんど周った頃には僕らは疲れきっていたので、
大人しくテラスのテーブルでトランプをしている。
「ねえ、私達ずーっと一緒よね?」
19: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:58:30.56 ID:axtTgyEU0
「そろそろ――
帰るよ。と言おうとすると、ソラが途中で口を挟んだ。
「そろそろ夕飯にしましょ!
20: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 03:59:47.00 ID:axtTgyEU0
見たこともない場所へ、どうやって来た?
ここに来るまで何かに乗ってきた?
21: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 04:00:44.17 ID:axtTgyEU0
ソラが何か言っている。
僕は両肩を揺さぶられ、やっと我にかえった。
ぼやけた目の焦点を彼女に合わせ、言う。
「これ、夢だよね?」
22: ◆.IsLampwR.[sage]
2011/09/28(水) 04:07:48.97 ID:axtTgyEU0
僕はいつの間にか庭に立っていた。
城へ乗り込む時の、あの武装だ。
空は暗い雲に覆われ、冷たい風が吹く。
開きっ放しの城門がキイキイと揺れる。
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