過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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2011/10/17(月) 01:27:16.96 ID:ebFiQ8E3o
垢抜けないセンスの、長袖長ズボン。深い帽子に、ウエストポーチ。
そう、まるで、これから山に入るかのようなそんな格好だ。
一心不乱に本を読んでいるようで――向こうは僕には気付いていない。さすがに正面に
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2011/10/17(月) 01:28:02.47 ID:ebFiQ8E3o
考えている内に、その子は、読んでいた本を本棚に戻し、その場から動き始めた。僕は
見つからないように、咄嗟に身を隠す。別に隠れる理由もないのに、ここで反射的に隠れ
てしまったことにより、僕は声を掛けるタイミングを完全に逸してしまった。本棚を壁に、
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2011/10/17(月) 01:28:48.69 ID:ebFiQ8E3o
「はあ……また戯言の予感がするな……」と、僕は最近口にしていなかったらしい単語と
ともに溜息を吐いた。
とりあえず、参考書を買うためにレジへと向かう。レジには結構買い物客が並んでいた
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2011/10/17(月) 01:29:30.42 ID:ebFiQ8E3o
手提げ袋に入れてもらった参考書を左手に、僕は店を出てから携帯電話を取り出し、昨
日、あれから教えてもらった携帯電話の電話番号へと、発信した。一昨日、その子の自宅
に電話したときもそうだったのだけれど、初めての番号に電話をかけるというのは、やは
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2011/10/17(月) 01:30:12.58 ID:ebFiQ8E3o
「暇だったらさ、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけれど……今、何してた?」
「ふふ」
なんだか不敵に笑う神原駿河。
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2011/10/17(月) 01:30:45.69 ID:ebFiQ8E3o
まあ、言いたくないというならば是非もない。詳しくは訊かないようにしよう。
「昨日言った神社。そこの階段に入る前の歩道で、待ち合わせよう。えっと、位置的には
――きみの方が近いだろうけど、僕は自転車だから、多分先に着いて待っている」
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2011/10/17(月) 01:31:12.36 ID:ebFiQ8E3o
「わかった。阿良々木先輩の仰せの通りに」
「じゃ、よろしく」
そう言って僕は電話を切り、本屋の裏手、駐輪場に行って、自転車の錠を外す。あの子
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2011/10/17(月) 01:31:47.80 ID:ebFiQ8E3o
「ひたぎちゃんは、どうだったんだろうな」
ひたぎちゃん――戦場ヶ原ひたぎ。
僕の同級生で、神原駿河の先輩。
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2011/10/17(月) 01:32:23.54 ID:ebFiQ8E3o
この子の脚には車輪でもついているのだろうか。
俊足駿足にも程がある……しかも、ちゃんと言われた通りに、長袖長ズボン(しかも昨
日から学習しての、破れていないズボンに、へその見えないシャツ)に着替えてるし……。
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2011/10/17(月) 01:32:56.44 ID:ebFiQ8E3o
「で、阿良々木先輩。私は何をすればいい?」
「ああ、そうだ。今回は楽しい雑談に興じている場合じゃない」
「脱げばいいのか?」
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