31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 00:56:18.42 ID:9yuxyDT00
律「ハァ…ハァ…」
律「大丈夫か?澪?」
澪「う…うん…」
律(大丈夫だ…落ち着け。体勢を立て直して、ちゃんと準備すれば大丈夫…。 鏡を“アイツ”に向けるだけじゃねーか)
(ギシ…ギシ…)
“アイツ”の足音が聞こえる。
足音から判断するに、“アイツ”はトイレの周囲を徘徊しているようである。
律(見つかるのも時間の問題か…)
先ほどの失敗から、律も学習していた。
今度は壁越しに直接覗き込むのではなく、トイレの個室から手鏡を利用して“アイツ”の様子を伺った。
…鏡越しに目があった。
その冷たい視線からは、鏡越しでも十分な殺意が感じられた。
(ギシ…ギシ…)
“アイツ”が近づいてくる。
今回は鏡越しに“アイツ”の動きが良く見える。
一歩…
また一歩…
“アイツ”はさながら獲物を追い詰めた肉食獣のように、ジリジリと距離を詰めてくる。
律(もう少しだ…あと一歩、踏み込んで来たらこいつを食らわせてやる)
手鏡を持つ手に力が入る。
汗ばんだその手が小刻みに震えだす。
鼓動が早まっているのを感じる。
(ギシ…)
澪(見えない聞こえない…!)
床が軋む音と同時に、律が個室から飛び出した。
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