30:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:18:12.64 ID:CGXDMCHp0
「全てを嘘にして、全てを否定して、一番下で這い蹲ってたほうが、幸せかもしれないよ」
女の子の存在しない眼窟から、涙が一筋垂れた。
「私がそれを許してあげる」
彼女はそう言って、女の子が大事そうに抱いていた、丸い玉を手に取った。
それは白く光り輝いていて、「真実」と書いてある。
「無理して真実になんて、気づかない方がいいよ」
また、汀は微笑んだ。
「だって、人間なんてそんなものだもの」
ぶちゅり。
丸い玉を、彼女は潰した。
どろどろとそこから血液が流れ落ちていく。
「治療完了。目を覚ますよ」
少し沈黙した後、汀はそう言った。
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