31:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:18:54.20 ID:CGXDMCHp0
*
診察室で硬直している母親を尻目に、圭介は黙々とカルテに何事かを書き込んでいた。
「お話の意味が……分からなかったんですが……」
32:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:19:30.92 ID:CGXDMCHp0
「娘さんは、小山田という教師に暴行を受け、彼の子供を孕んだ状態だったようです。私どもは、自殺病を快癒させるために、その原因のトラウマとなっていた子供を、記憶ごと堕胎させました」
「ひ……人殺し!」
立ったまま母親が悲鳴を上げる。
33:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:20:13.98 ID:CGXDMCHp0
*
びっくりドンキーの一番奥の席、そこに汀はちょこんと座っていた。
余所行きの服を着ていて、落ち着かない顔で周囲を見回している。
圭介がレジから戻ってきて、ピンクパンサーの絵柄が入ったグラスを二つ、テーブル前に置いた。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/10/22(土) 00:20:37.85 ID:tTRLftIB0
期待!難しい漢字にはルビ降ってくれるとすっごく助かります……。ばかでごめんなさい。
35:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:20:55.22 ID:CGXDMCHp0
「何か……タバコの臭いがする」
「ここは禁煙席だよ。一番喫煙席から離れてる場所を選んだんだ。我慢しろよ」
「うん」
36:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:21:54.15 ID:CGXDMCHp0
そこでオーナーが来て、大きなパフェを汀の前に置く。
汀は打って変わって目を輝かせ、動く右手でぎこちなくスプーンを掴んだ。
「いただきます」
37:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:23:00.96 ID:CGXDMCHp0
*
暗い診察室の中、圭介は隣の部屋……汀の部屋の明かりが消えていることを確認して、携帯電話を手に取った。
そして番号を選んで、電話をかける。
今日の遠出で、汀はとても疲れているはずだ。
38:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:23:38.37 ID:CGXDMCHp0
「普通? 笑わせるなよ」
圭介は暗い声で、静かに言った。
「化け物さ。あの子は」
39:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:25:32.03 ID:CGXDMCHp0
第2話に続きます
>>34
ご支援ありがとうございますm(_ _)m
40:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:49:54.02 ID:CGXDMCHp0
2話をはじめます。
41:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:50:49.72 ID:CGXDMCHp0
涙が落ちる。
土砂降りの中、立ち尽くしたその人は涙を流していた。
降っているのは雨ではない。
赤い。
どろどろした粘性の血液だった。
178Res/185.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。