165:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:10:51.87 ID:AiUnSeA3o
「……消えた?」
女は目の前で起きた事をただその一言でしか表現出来なかった。
自らの能力で生み出した光線が消えた、それは間違いない。
しかし、その方法が分からない、ただ男は右手を前に出しただけだ。
超能力者に対抗する術を相手は持ち合わせていた、今分かる事はそれだけ。
そして五和は、そのまま後ろへと倒れて行った。
相手の光線を消し去り、命の危機を脱したと思えば再び気絶してしまった。
意識を失う瞬間、五和は三つの人影を見た。
一人は上条当麻だ。しかし、何かがいつもの上条とは異なっていた。
二人目は一人で飛び出した時に出会ったメガネをかけた少女、名前は風斬だったか。
三人めは、いや、それを「人」と扱って良いのかは分からない。
それは遠くに存在しており、風斬の姿で隠れて見えなかったが存在していた事は確かだ。
五和はその三つの存在を見ると、そのまま深い意識の底へと沈んでいった。
倒れる上条当麻の肉体、そして蘇る上条当麻の精神。
再び立ち上がったのは上条だ。その肉体は五和のものではない。
上条当麻の肉体に上条当麻の精神が戻ったのだ。
「ありがとな、五和」
目を閉じたままの五和に一言つぶやいた後、上条は女の方を向いた。
「……五和をこれ以上傷つけさせねえ、絶対に」
そして上条は、その戻ったばかりの右手を握りしめた。
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