過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
1- 20
803: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/09/19(木) 05:09:09.16 ID:EJeQ9ZV8o

(俺も行かねえとな)

上条の目的はズバリ、明日のデートのプラン構築とプレゼントの加工。
その二つの目的を達成するために、上条には既に一人頼るあてがあった。

デートの経験があって、手先も器用な人物。あの男だ。
旅行中に壊れたケータイの修理が終わるまでの、使い慣れない代わりのケータイを出して電話をかける。

『おっす、上条。どうした?』

電話に出たのは元スキルアウトの浜面仕上だ。
彼には滝壺理后という恋人が居て、それに手先も器用だ。

「おう、悪いんだけどさ、ちょっと手伝ってくんね? 明日の、ほら、デート関係で」

『……ほうほう。流石の大将も好きな子とのデートは緊張する、ってか?』

「う、うるせえな……」

ニヤニヤとからかうような彼の表情が透けて見えるようだ。
だが、言っていること自体は何の言葉も挟めないほど正しいことなので、特に何か言い返す事もできない。

『ははは、分かった分かった、俺に任せろ…………って言いたいところなんだけどな』

「え、ダメか? 何か用事でもあるとか?」

『まぁ、そうだな。ちょい先約が居る。つってもそんな長くかかんねえだろうし、時間置いてくれりゃあ大丈夫だぜ』

「そっか……実はさ、プレゼント用の加工を任せてえんだけど、それって今日の明日で済ませられるか?」

『お、何だあんたもその用事か』

「あんたも?」

『あ、いや、何でもねえ何でもねえ。加工の種類にも寄るが……どんなもん作ってほしいんだ?』

「えーと……ほら、指輪……とか」

『指輪……ふむふむ、指輪ねぇ……』

「な、何だよ楽しそうだな文句あんのか! それより、できんのか?」

『ん、そのくらいならすぐできんな。つかそんなに大事なものなら素直に業者に頼んだほうがよくね?』

「急ぎなんだ。こんな慌ただしい仕事受けてくれるか分かんねーだろ。コネがあるわけでもねえし」

『なるほどな。うっし、分かった分かった。そんじゃ作ってやる。こっちの用が済んだら連絡するわ』

「悪いな。礼は必ずする」

『気にすんなって、あんたにゃ借りがあるんだ。このくらいじゃ返せねえ程のな。じゃな』

「あ、おいっ」

そっちこそ借りなんて気にするな。それを言う前に切られてしまった。
おそらく偶然ではないだろう。上条がそう言うと読んで、何かを言う前に意図的に通話を終わらせたのだ。

何というか、意外とそういう所は揺るぎない部分があるものだ。



***



浜面に電話をかけてから一時間とちょっと後。
上条は彼から連絡を受け、アイテムのアジトへとやって来ていた。

「尾行……なし、か?」

一応確認しておくが、上条自身は別にそういう感覚に優れているわけでもないので、確信は持てない。
場所は、とあるデパートの人気のない掃除用具入れ。その奥の壁を三秒置きに一度ずつ三回ノックする。

すると、ガコンという音と共に何かが外れる音が聞こえる。

「お邪魔します…………うおっ」

奥に広がっていたのは、西洋風の豪華な部屋だった。
床には高級そうなカーペットに、ソファーは見るからにフカフカ。更に雰囲気作りの為か暖炉まである。煙突はどこに繋がっているのか。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1634.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice