過去ログ - 京子「アッカリーン」
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314:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/11/03(土) 16:20:56.58 ID:hmXVQoDF0
 そう言って少しだけお茶を飲む。
 敵わない、綾乃はそう呟いてから少しだけ悔しそうに、だけどすっきりした表情で笑う。

綾乃「昨日彼方たちに会った事を言った時、すごく動揺してた。もう、それを言う前から少しだけ感じてたんだ。京子には好きな子がいるって」
結衣「……」
綾乃「それに、赤座さんがね。このデートの話を私に持ちかけてきてくれたのは嬉しかったけど、なんだか急かされてる気がしてた」
 
 少しだけ時間を置いて、綾乃は告白した時のことを切り出してくる。
 顔は、泣くのを我慢してるのがわかるくらいに強がってて、でも、こうして勇気を出して言葉にしてくれることに、私は憧れみたいなものを感じる。
 私が最初に、あかりに強行に迫った姿とでは、雲泥の差だったから。
 
綾乃「告白した時、歳納京子の目はね。告白を受けてくれる人の目じゃなかったの。寂しくて、不安で、そう言うのを埋めてくれる空間を求めてるような眼をしてた」

 それは多分、昔私もしたことがある目だと思う。
 ただ離れていくのが不安で、それを埋めるなら、どんなことをしたっていいんだと勘違いしていた私。
 それと全く同じだ。
 そんなことを考えて、顔を上げると1つの雫が見えて、私は綾乃を見る。
 
綾乃「その時わかっちゃったんだ。あたしはどんなに頑張っても、歳納京子の大切な人になれないって」
 
 綾乃は静かに泣いていた。本当に、静かで、自然とこぼれてしまった涙なんだってわかった。
 心が揺れているのがわかった。
 私は、相当酷なことを綾乃に聞いているから、それがとても許せなく感じた。
 
綾乃「悔しくかった。確かにね、あたしが歳納京子を見てきた時間は短いけど、好きだって気持ちは負けるつもりなかった。でもね、隙間だけしか埋められないあたしだと、歳納京子は幸せになれないから」

 


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