384: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/27(火) 21:32:43.69 ID:0y7Thqnno
「何だ」
「志筑仁美さんって覚えてます?」
「あん? ああ、あいつか。ちょっと間の抜けたような声の」
「はは……、ええそうです。彼女が今日、お見舞いに来てくれたんです」
「そうか、よかったな」
「よかった?」
「いや、何でもない」
仁美が播磨に、恋愛相談をしたことは秘密にしなければならない。
「それで……、この手のことも話たんです」
「そいつは……」
「ええ、知ってますか? 僕の手のこと」
「ああ、事故で動かなくなったやつだろう?」
「はい。神経のほうが特に酷くやられてて、もう、元のように動くことはないだろうって言われたんです」
「……そうか」
「最初はショックでしたよ。もう何日も口を聞かなくて、家族にも迷惑かけたと思います」
「どうしてそんな……」
「僕、ヴァイオリンをやってたんです」
「ヴァイオリンって、あのヴァイオリンか」
「そうです。こう、弓で弾くやつですね」
そう言うと、上条はヴァイオリンを弾く仕草をしてみせた。
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