498: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/04(水) 19:55:30.02 ID:AxuxTz+Ao
「はわわわわ! は、拳児くん!」
まどかは、播磨が他の異性に口づけされたことと、彼がその場に膝をついて倒れこんだことが
続けざまに起こってしまったため混乱した。
しかもすぐ近くには、今まで探していた親友の美樹さやかがいるのだ。
「だ、大丈夫?」
芝生の上に倒れこんだ播磨を助け起こす。
「心配ねえ。ちょっと眠ってもらっただけだ」
「何してるんですか!」
まどかは杏子をキッと睨み付ける。
「別に他意はねえさ。ちょっとこの男は“アタシら”の魔法が効きづらい体質みたいだから、
直接魔力を流し込んだ。別にこいつが好きってわけじゃないから安心しな」
「そ、そんな」
「すぐに目を覚ます。その前に、やんなきゃいけないことがあるだろう? 鹿目まどか」
そう言って杏子が向けた視線の先には、美樹さやかの影があった。
「さやかちゃん……」
倒れた播磨を抱きかかえたまま、まどかはつぶやく。
少しずつ暗闇に目が慣れてくると、それが人違いでもなんでもなく、正真正銘の美樹さやか
であることが嫌でもわかってくる。
少しくたびれた見滝原の制服に身を包んだ彼女は、まるでマネキンのように無表情で、
少しも動かなかった。
「さやかちゃん!」
まどかは叫ぶ。その声は暗闇の中、よく通った。
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