516: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/06(金) 19:40:14.45 ID:9e1wVLifo
五島編集長の言葉に播磨は一言も反論できなかった。
やり場のないモヤモヤを漫画にぶつけていたことは確かだ。
漫画は慰みものではない。
それは漫画に対する冒涜だ。
漫画を愛する編集長であればこそ、そのことが許せなかったのだろう。
(しかしどうすりゃいいんだよ……)
現状を何とかしなければならない、ということはわかる。
しかしやり方がわからない。
(魔女とか魔法少女とか、正直どう相手すりゃいいんだよ)
播磨にとって、魔法とか奇跡というのはもっとも縁のない現象だからだ。
雨が降り続く暗い空を眺めていると、ふと落ち込むまどかの顔が思い浮かんだ。
(まどか……)
その暗い顔を笑顔にするために、何ができるのか。
色々と考えながら歩いていると、不意に自分があてもなく歩き回っていることに気が付く。
「くそ、こんなところでウロウロしてても仕方ねェ。さっさと家に帰るか」
そう思ったとき、ふと奇妙な気配を感じる。
「……なんだこりゃ」
大正時代から昭和のはじめにかけて建てられたような和洋折衷の建物が、彼の目に入ってきた。
「こんな家、あったか」
ビルの立ち並ぶ都会のど真ん中に、ひっそりとたたずむ建物。
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