542: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/07(土) 16:21:36.40 ID:TtSXhkSbo
大嵐にも関わらず、澄ました顔で手すりの上に立つキュゥベェ。風で尻尾や耳毛(?)が
吹かれているというのに、その場から飛ばされそうな気配が一切ない不思議生物。
「うん」
まどかは静かにうなずいた。
世界が静かに思える。
今、この瞬間にも激しい風や雨が身体にビシビシとあたっているにも関わらず、
そんなことは気にならない。
《さあまどか、願いごとを言うんだ》
キュゥベェの声が頭に響く。
「叶えて、私の願い――」
この街を守るために彼女が望む願い。
「……!」
しかし一瞬、言葉を飲み込む。
不意に、あの顔が頭に浮かんだためだ。
「でも、私……」
魔女の驚異は刻一刻と迫ってきている。
《どうしたんだい? 早くしないと》
「私の、願い……」
「待て、まどか」
彼女の華奢な肩を掴む大きな手があった。
「拳児……、くん?」
息を切らした播磨拳児がそこに立っていた。
*
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