557: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/08(日) 20:04:47.11 ID:rjWT9VOTo
彼の目の前には、いつの間にか風呂敷に包まれた重箱を抱えたメガネをかけた女性が
立っていたのだ。
「早乙女先生?」
「どうも、お久しぶりです」
知り合いの紹介で顔見知りとなった、見滝原中学の教諭、早乙女和子であった。
「では、僕はこれで」
橘は忍者のように静かにその場を離れようとする。
「おい橘! これはどういうことだ」
「スイマセン、詢子さんに言われたんです。僕にはどうすることもできません」
「はあ? おい待て!」
「あと、僕は妻(マイラブリーワイフ)を待たせてるもので。これで失礼します!」
霧島が橘を追いかけようとすると、その間に和子が割って入る。
「あの、早乙女先生」
「和子で構いませんわ、霧島さん」
「あの、その……」
「今日はお弁当を作ってまいりました! 一緒に食べましょう」
「へ?」
「霧島さん!」
ヤクザやチンピラを相手にしても、一歩も引かない自信のある霧島だったが、
この日はタジタジであったという。
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