665: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/19(木) 20:29:07.79 ID:gZmXTKMLo
不安がないと言えばうそになる。
むしろ不安しかないだろう。
しかし、そんな不安を吹き飛ばすような圧倒的な存在感が、目の前にいる女性にはあった。
(この雰囲気、どこかで感じたような)
ほむらはふとそんなことを思ったけれど、努めて考えないようにした。
「こんにちは、お嬢さん。私はこのミセの主人、壱原侑子よ」
建物の奥の間で、洋風の椅子に座った侑子がそう自己紹介した。
この建物は、洋風と和風が入り混じった奇妙な外観をしているけれど、
内装もまた和洋折衷でしかも、中の広さがよくわからなかった。
それは広くもあり、また狭くも感じる空間だった。
「あなた、お名前は?」
「え? あの、暁美ほむらです」
ほむらは素直に自己紹介する。
「ダメよあなた」
「へ?」
「それ、本名でしょう」
「はい」
「他人に安易に本名を教えてはダメなの」
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